最後の戦い。そして…。
「グルガン」は記憶喪失になっていたため容易に戦うことができない状態で「グルガン」を守りたい「デルフェス」は否応無しに「ボス」の言うことを聞いていたのです。
私は「ボス」に攻撃を続けます。
それが2人の洗脳を解くために必要だからです。
「ボス」は弱りながらも攻撃を続けます。
「デルフェス」と「ボス」からの攻撃を受けた私は満身創痍でした。
しかし、ここで負けるはずにはいかないのです。
最後の気力を振り絞って、私は「ボス」に「維持の一撃」を食らわせます。
「ボス」は
「お……おのれ、これで済むなよ」
と言い残し、倒れてしまいました。
「ボス」に勝ったのです。
しかし、私の気力も体力も尽き果ててしまいました。
洗脳が解けた「デルフェス」は
「アックス、ゴメンよ。傷を負わせてしまって」
と、優しく話しかけてきます。
そして私に「回復の薬」を渡し
「飲んでくれ」
と言いました。
私は「デルフェス」から「回復の薬」をもらうとそれを一気飲みしました。
体の中から力が沸き上がります。
そして私はこう言います。
「この後、どうしようか」
と。
「グルガン」はすくっと立ち上がり、私たちに向かってこう言います。
「この街は救われた。でも、ほかにボスに支配されてる街があるかもしれない」
私は
「だから討伐の旅に出ようか?」
と、問いかけます。
「グルガン」は
「そうだ」
と答えました。
そういう会話をしてる間に、街の人が
「この街を救ってくれてありがとう。さぁ、今日はよく寝てください」
と話しかけ、食事を持ってきてくれました。
私たち4人は食事を済ますと、倒れこむように眠ってしまいました。
そして翌日。
昨日受けたケガもある程度回復しましたが、体を動かすと
「いててて……」
と痛みが体中に走ります。
その様子を見ていた「グルガン」と「デルフェス」は昨日の戦いを思い出し
「まさかボスに勝つことができるなんて……」
と、昨日の戦いを思い出しながら話します。
「エイミー」はまだ眠っていました。
私は
「まさかエイミーにあれほどの力が残っているなんて……」
と、寝ている彼女を見ながら思います。
すると街の人が
「食べてください」
と、食事を差し出してくれました。
私はお金を払おうとしましたが、街の人が
「お金はいりません。だって、あなたたちはこの街を救ってくれたから」
と言って去っていきました。
それを見ていた猿が
「キーッ、キーッ」
と言って欲しがり出したので私は
「お食べ」
と言って、果物を差し出しました。
すると、騒がしくなったのか「エイミー」が
「う、うーん」
と言って起きました。
私は
「おはよう。エイミー」
と声を掛けます。
私たち4人と1匹は、しばらく宿屋のベットでまどろんでいました。
しばらくすると「グルガン」が
「こんなところでダラダラしてないで、大ボスを倒しに行こうぜ」
と仲間にはっぱをかけます。
私は
「行くのはもう少し待ってから行こう。エイミーが心配だ」
と言いながら「エイミー」の横に行きます。
「デルフェス」も
「エイミーの回復を待ってからでもいいんじゃないか」
と「グルガン」に話しかけます。
「グルガン」は
「わかった。もう少し待機しよう」
と言いました。
……
しばらく経ちました。
そろそろお昼ごはんの時間なので猿が食事をねだる為か
「キーッ、キッ」と鳴きます。
私は昼ご飯を調達するために宿屋から外に出ました。
すると
「ドドドドド……」
と、地響きのような音が聞こえたのです。
私は嫌な気配を感じました。
猿が
「キキー」と叫びます。
「グルガン」も「デルフェス」も気配を感じたのか、硬い表情で戦いに備えます。
私はこの状況に陥った時に取るべき作戦を思いだそう……としていました。
遠くの方に土埃が見えます。
それがどんどんこちらのほうへ向かってきます。
そして私たち4人は魔物の群れと遭遇します。
私は
「これまでにない敵と戦うのか……」
とつぶやきます。
まず、機動力が高いモンスターが一斉に襲い掛かってきます。
私と「グルガン」と「デルフェス」が剣を振り、「デルフェス」が弓を打ちます。
それでも敵の数に押されそうでした。
「これ以上モンスターが襲い掛かったら防げなくなる」
私は剣を振りながらそう思いました。
そう思ったその時。
「エイミー」が「スクエアバン」という攻撃魔法を唱えました。
すると、ザコキャラがほぼ一掃してしまいましたではないですか!。
私と仲間の2人はモンスターに囲まれた「ボス」の姿をかろうじて見えたので「デルフェス」が弓で攻撃し始めました。
飛び道具を使う「デルフェス」のような遠距離射撃ができない私と「グルガン」は「ボス」を囲んでいるモンスターを攻撃しないと「ボス」に攻撃を当てられません。
2人は手短の巨人に攻撃を集中させます。
しかし、巨人はなかなか倒れません。
それどころか、執拗な攻撃に私たちは確実にダメージを受けてしまいます。
その時。
一人で攻撃してた「エイミー」が敵のモンスターに捕まってしまいました。
「エイミーは私が助ける」
と言って、「エイミー」を捕らえていた骸骨のモンスターに立ち向かいます。
「確か、骸骨は回復系の魔法でダメージを与えるはずができる」
そう確信した私は、回復系魔法を剣にかけて攻撃することにしました。
「喰らえ!」
私は剣を振り下ろします。
「ギヤー」
とうなりを上げ「エイミー」を放します。
私は「エイミー」を抱き抱えますが、彼女はぐったりとしていかにも命の危険が危ぶまれている状態でした。
「これはヤバイ」。
私は唯一使える回復系魔法をかけてみます。
しかし「エイミー」にはあまり効いていないようです。
ぐったりとした中で「エイミー」の息は絶え絶えになります。
私は思い切って回復系アイテムの最高峰の薬を課金します。
しかし、アイテムは出てきません。
回復系アイテムがどこに出てきたのかわからないのです。
すると「デルフェス」が
「アtクス、ここにあるぞ」
と言って回復系アイテムを持ってきてくれたではありませんか。
私は早速「エイミー」に回復系アイテムを与えます。
すると「エイミー」が一言
「ありがとう」
と言ってくれました。
しかし「エイミー」はぐったりとしたままです。
彼女の体力は、すでに限界に達していました。
しかし、彼女は最後の力を振り絞って、とっておきの召喚獣を唱えよう……としていました。
それこそが召喚獣「フェニックス」でした。
この召喚獣は攻撃と同時に召喚獣を唱えた味方を回復させるものでした。
彼女は「フェニックス」を放った後ぐったりとして倒れこみ、そして息を引き取りました。
私たち3人は怒りと悲しみに包まれました。
そして私が
「エイミーの仇、受けてみろ」
と剣を振り上げます。
しかし、剣はモンスターのボスの腕をかすっただけで、致命傷を与えられません。
「一体どうすれば……エイミー、教えてくれ」
と心の中で思いながら攻撃します。
するとどうでしょう。
モンスターに剣が突き刺さって居るではありませんか。
そしてモンスターのうちの1体が倒れこんでしまったではないですか!。
私は
「やったぞエイミー」
と心の中で叫んでいました。
しかし、まだモンスターの群れのうち1体を倒しただけです。
私は
「グルガン、デルフェス、気合入れていくぞ」
と叫んで鼓舞します。
しかし、私を含めてパーティのライフポイントはもう限界に達していました。
「このまま戦い続けたら死ぬかも……」
と思うようになってきました。
その時「デルフェス」が
「俺は弓が折れるまで戦う!みんなも耐えてくれ」
と叫びました。
しかし、2人のライフポイントは限界に近づいてきました。
そうこうしているうちに「グルガン」が大きなモンスター2体に囲まれてしまいました。
モンスターのうめき声がとどろきます。
私は「グルガン」の叫び声を聞きました。
その声は「断末魔の叫び」に聞こえました。
私は
「この状況をどうやって解消するか」
という事ばかりを考えていました。
その隙に、モンスターたちは「デルフェス」を狙い撃ち攻撃を仕掛けてきました。
私は
「はっ」
と言って周りを見渡しましたが「デルフェス」の姿が見えません。
ついに「独りぼっち」になってしまいました。
コツコツ貯めたポイントを使って、2人を生き返らせないか考えましたが、それを発動するには時間がなさ過ぎました。
そして「モンスター」が私を取り囲むように襲ってきました。
「もうダメか」
私が覚悟を決めたその時でした。
一時、一緒に旅をした「トライブ」の言葉が聞こえました。
その言葉は
「諦めたらそこで終わりじゃない」
の一言でした。
しかし、満身創痍まんしんそういの私に何ができる?とも思いました。
私は「自暴自棄じぼうじきぎみ」で剣を振り回します。
「ええい、これまでよ」
と叫び、剣を持ったまま円を描くように回りました。
……
すると、何体かの「モンスター」に攻撃が当たりました。
私は
「私が倒れてどうする?そこで物語が終わってしまうではないか!」
との思いで攻撃を仕掛けていましたが、痛みから来たのか体が言うことを聞かないのです。
そして、私はその場で倒れてしまい、目の前が暗くなって、何も感じなくなってしまいました。
……
「ゲームオーバー」です。
……
そして。
「もしもし、どうされましたか?」
と言いながら駅員さんが体を揺らします。
私はしばらく倒れこんでいたみたいでした。
右手にはスマホを握りしめていた状態でした。
「あ……あれ?」。
そう言いながら、私は起き上がりました。
立ち上がる際に
「いてっ」
と言い体を確認したところ、腕に傷がついていました。
……
「そうか……あの体験は現実だったんだ」
と理解しました。
……
人は
「所詮、バーチャル世界のことだろ」
と罵ののしります
しかし私は
「そんな事はない」
と反論したくなります。
私は「ファイナルクエスト」をプレイしてみて、今回ほど没入したことはありませんでした。
気を取り直してスマホを持ちます。
しかし、スマホが動きません。
「しまった!電池切れか」
私も、ゲームの中の人たちもしばし休息の時です。
また出会えたらいいな……
私はそう思い、立ち上がりました。
ファイナルクエスト 完
お読みいただきありがとうございます。作者のびでばきです。
今回はこちらの都合で8か月かかっての簡潔です。
ご迷惑をおかけして申し訳ございませんン。
次回作が書けたらよろしくお願いします。
~謝辞~
この作品に出てくる「トライブ」は「Sword Masters」のセフィさんの創作物です。ありがとうございました。