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ファイナルクエスト  作者: びでばき
2/5

海を越えるその時

 彼らはミッションを果たし、別の場所へ向かいます。


 私の記憶では確か「海辺の町」に出て船を調達するはずです。


 今いる場所は島なので、ミッションを達成する国ががある大陸まで船で移動するからです。


 4人になったパーティは一路「海辺の町へ向かいます。


 途中、雑魚キャラがちょっかいを出してきますが、それらを軽くあしらい、歩みを止めることなく進みます。


 やがて「海辺の町」に到着します。


 4人は「大陸までのチケット」を買いに窓口へ並びます。


 待ってる間「猿みたいな何か」がすり寄ってきます。


 そして財布を盗もう・・・としたその時


「こら!」


 と言って財布をつかもうとした猿を取り押さえます。


 その猿はこの街で有名な「スリ」で、つかまえた私に対して周りから称賛の声が上がります。


 私は猿を見ながら


「何か言いたげだな」


 とつぶやきました。


 このシーンは確かに覚えています。


(猿が元の飼い主を探すためにお金が必要でスリ行為を働いていて、最終的には仲間になる・・・)というストーリーでした。


 私以外のメンバーにとっては「ただ泥棒を働く猿」にしか見えませんでしたが、この世界を(プレイヤーとして)知り尽くしている私にとっては分かっているが為に他のメンバーにとっては不思議以外の何物でもありませんでした。


 猿はこちらを見つめ、おとなしく財布を渡してくれました。


 ほかの人の財布も渡そうとした途端、猿に向かって「炎」が飛んできました。


「何事だ?」


 と「グルガン」がつぶやきます。


 私は(ここで敵が出るシチュエーションじゃなかったのにな・・・)と思いながら、慌てふためく待合室で「何か」を感じていました。


「炎」の主は別の冒険者の魔法でした。


 私が


「なぜ炎の魔法を?」


 と、問いかけます。


 すると相手も


「俺も財布を取られて困っていたからな。ところでお前は猿の味方をするのか?」


 と言ってきます。


 私は言葉が詰まってました。


 そしてしばらく黙ります。


 相手は


「お前も冒険者だったら、はっきりと答えを出すのにな」


 と言って、船の中へ消えていきます。


「そろそろ出港の時間ですよ」


 との掛け声に慌てた4人プラス猿は、急いでチケットを買って乗船します。


「デルフェス」は


「この先何が待っているのだろうか」


 と不安そうにつぶやきます。




 4人プラス猿のパーティが乗った船はは、大陸を目指して大海原を駆けていきます。


 船の到着は1日後です。


 パーティは「思い思いの時間」を過ごしています。


 私も一息ついたのか、甲板に横になり


(疲れた…実際、こんなに体を使うなんて…)と思いながら、潮風を感じていました。


 航海は順調そのものです。


 波も穏やかで、天気も良く、このまま大陸へ着きそうな感じがしました。


 しかし、急に波が高くなってきました。


 海面を見つめていた人たちは、どよめき始めます。


 私は


「確か移動中に「タコのようなモンスター」に襲われるのだっけ?」


 と、このシナリオを思い出します。


 すると、見張り台が何かを発見したようで


「ブリッジ、モンスターを見つけた」


 との知らせを聞いた船内の人は「パニック状態」になりました。


 私の感が当たっていたのです。


 ふと、海を見ると「タコのようなモンスター」が船に向かって襲いかかってきます。


「戦えるものは退治してくれ」


 と、船長が叫びます。


 私たちは持てる力を出して「タコのようなモンスター」と戦います。


「グルガン」は


「くそ!剣が届かない」


 と言って焦ります。


「デルフェス」は「炎属性の矢」を射ります。


「謎の冒険者」が炎属性の魔法をかけます。


 耐えきれなくなったのか「タコのようなモンスター」が暴れだします。


 私は


(くそ!魔法を遣えたらなぁ…)と思いながら「タコのようなモンスター」に向かっていきます。


「タコのようなモンスター」はついに足を船の上に載せ始めました。


「ここだ!」


 とばかりに私と「グルガン」はタコの足に切りつけます。


 すると「タコのようなモンスター」が足を大きく振り上げます。


 船が「ミシッ、ミシッ」と悲鳴を上げます。


「タコのようなモンスター」はついに体の一部を乗せ始めました。


 その勢いで船は真っ二つに割れて、海に投げ出されてました。




 ……


 気が付くと、私はパーティとはぐれて、一人、船の残骸のはしをもって浮いていました。


 あたりを見回しても、船の残骸とそれにつかまる人ばかりで、誰が誰だかわかりませんでした。




「うっ、うーん」


 どこかで聞いたような声がしました。


 私は声の元へ行きます。


 すると、そこにははぐれたはずの「アイミー」がいました。


 私が「アイミー」に話しかけると、彼女は


「ウ、ウーン」


 としんどそうにこちらを見た後


「もしかして…アックス?」


 私は


「そうだ」


 と返事します。


「エイミー」が


「他のメンバーは?」


 と聞いてきたので私は


「この襲撃でみんな散ってしまった」


 と答えると「エイミー」が


「そう……」


 と弱弱しく答えました。


 私は「エイミー」がつかまっている船の残骸に移り、このまま流されていきます。


 数時間後。


「おい、生きてるか?」


 との声がかろうじて聞こえました。


 薄く目を開けると、一隻の船が見えました。


「地元の漁民」が、見つけてくれたのです。


 漁師は


「あんたたちもタコの化け物に襲撃されたのか?」


 と言い、傷ついた体に薬草を張って介抱します。


 そして2人にこう言いました。


「最近はよく化け物に小遇するんだ」


 と。


 私は


「昔よりひどかったのですか?」


 と漁師に聞きます。


 すると漁師が


「そうだ」


 とこぼします。


 そうしているうちに漁船は港に入ってきました。


 本来行く大陸よりも南の漁村に着きました。


 ここで2人は救ってくれた漁師にお礼を言い、町を出ます。


 出しなに「エイミー」が


「何かある」


 と言ったので私は


「これは…ガチャだな」


 と言い


「回してみよう」


 と言って機械を回します。


「回復薬」が出てきました。


 私は「エイミー」に


「私、くじ運が悪いんだ」


 と言いました。


 すると「エイミー」


「ふ~ん」


 と返事をします。


 私は頭の中で(この大陸にやってきてまず何をしたのだろう…)と思い出そうとしていました。


 その時


「キャー」


 という叫び声が聞こえました。


 私が振り向くと「エイミー」が大きな狼につかまってしまいました。


 私は剣を構え、大きな狼に立ち向かっていきます。


 狼は「エイミー」を口から放し、私に大きい口でかぶりつこうと襲ってきます。


「こいつの弱点はここだ!」


 と言いながら、剣を喉元に突き付けます。


 狼はあっさりと倒れてしまいました。


 私は


「大丈夫?エイミー」


 と言葉をかけます。


 すると「エイミー」の体に傷ができていました。


 私は、さっそくさっき手に入れた薬草を使って「エイミー」を介抱します。


「エイミー」は、私に向かって


「ありがとう」


 と言ってくれました。


 私は


「グルガンとデルフェスはどこに行ったのだろう…」


 とつぶやきながら空を見上げました。


 その後「エイミー」に


「北の方でも行くか」


 と問いかけます。


 私がプレイした中で北半分の大陸はめったに行かなかったため、情報が不足している…のもありますが、とにかく「グルガン」たちを探すのが湯煎事項なのです。


 私と「エイミー」はとりあえず北の端へ行くことにしました。


「北の端」へは、今いる場所からからは遠いです。


 私は


「何か乗り物があったらな…エイミーも疲れてきてるだろうし」


 とつぶやきました。


 そこで「エイミー」が


「私は大丈夫よ。歩くの大好きだもん」


 と言ってきます。


 私は


「とりあえず海岸に沿っていこう」


 と提案します。


「エイミー」も小さく頷きます。


 2人は海岸沿いを歩き始めました。


 天気は快晴だった。装備品が重くて汗をかきます。


 照りつける太陽のせいでのどが渇きます。


 さっきいた漁師の町で、水稲に水を入れてきて正解でした。


 私と「エイミー」は水稲の水を交互に飲みました。


 しばらく海岸沿いを歩くと、大きな岩がせり出して通れません。


 私は


「参ったな…」


 とつぶやきました。


 その時「エイミー」が


「何かいる」


 と言ってきたので私がそばに駆け寄るとそこには「ヘビのようなモンスター」が寝ていました。


 私は「エイミー」に


「声を出すなよ」


 と小声で言いました。


 私もそっと歩きます。


 その地を抜けよう…としたとき、「ヘビのようなモンスター」が「ぴくっ」と動きます。


 焦った私は転んでしまいました。


「ヘビのようなモンスター」はその転ぶ音に気が付いたのk、こちらを見つけて襲ってきます。


「キャー!」


「エイミー」が叫びます。


 そして「ヘビのようなモンスターにめがけて「召喚石」を投げて祈ります。


 そう、「エイミー」は召喚獣を呼んだのです。


 この「ヘビのようなモンスター」は、私の記憶だと「雷属性」に弱いはずでした。


 しかし「エイミー」が呼んだ召喚獣は「炎属性」の召喚獣だったのです。


 それでも召喚獣がいることは変わりません。


 強い味方を得た私たちは「ヘビのようなモンスター」に立ち向かっていきます。


 しかし、属性が違うので、思うように攻撃できません。


 私は(魔法が使えたらなぁ…この世界ではボタンがないからどうやったら魔法が唱えられるだろう…え?唱える?)


 と思って持ち物からメモを取り出しました。


 そのメモには魔法の一覧が書いてあり、使用するときはなぞるように書いてありました。


 試しに「エイミー」にレベル2の回復魔法をかけてみることにしました。


「別の人物に魔法をかける時は、なぞった指で対象を指す」


 と書いてあったので私が回復魔法をんぞった指で「エイミー」の方へ指すと「エイミー」がうずくまった状態から回復したではありませんか。


「エイミー」は私のほうを向いて


「ありがとう」


 と返事しました。


 その間、炎の召喚獣が「ヘビのようなモンスター」と対峙していましたが炎の召喚獣の方がが劣勢でLPが下がっていきました。


 召喚獣のLPを回復させるには専用の魔法しか使えなく、その魔法は召喚士しか使えなくて、LPが無くなると一定時間召喚出来ない大ピンチに落ちってしまいます。


 LPを出さないといけない「エイミー」は、すでに疲労困憊でLPを出す余裕がありません。


 私はこの状況をどう切り抜けるか、考えていました。


 しばらく考えて、結論が出ました。


「私のLPを出して、剣に雷属性の魔法をかけて「ヘビのようなモンスター」に突き刺す。これしかない」


 と思って呪文を唱えながら、剣を天高く掲げました。


「ドシャーン」


 と音が鳴って、雷の力が県にたまっていきます。


 私は


「行くぞ」


 と言って気合を入れ「ヘビのようなモンスター」に剣を突き刺します。


 すると「ヘビのようなモンスター」が攻撃を食らって倒れ込みます。


 私は「エイミー」に


「召喚獣を戻してここから逃げろ」


 と叫びます。


 2人は一目散にその場から販れます。


「ハァ… ハァ…」


 2人は息が切れるほど走って、高台の平地に腰を下ろしました。


 まだ息が上がった2人は「魔よけの結界」を張り、息を整えます。


 彼らはここで1夜を過ごし、体力を回復します。

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