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Double bind  作者: 佐々木研
さよなら刺客
101/148

導かれし者たち

 「検視の結果は?」

 「…見立て通り、絞首による窒息死だそうです。左腕の骨折や下腹部裂傷、上半身の火傷や殴打痕も酷いですが死因ではないようですね…」

 「凶器は?」

 「荷造りなどに用いられるビニール紐です。市販のもので特定は出来そうにありません」

 「死亡推定時刻は?」

 「9月18日日曜日の19時30分頃だと見られています。交渉時刻の30分後ですね…」

 「…遺体に不審な点はないか?」

 「被害者の火傷は煙草が押し付けられたものだったのですが、現場に落ちていた2種類の煙草全てから唾液が検出されませんでした。いたぶるために火を付けたとしてもやや不自然かと。他にも足裏には凍傷と見られるような痕がありましたが、これは断定することができないそうです。遺体の発見現場へと続く道には被害者の素足の足跡がありましたので、被害者はしばらくの間裸足だったようです」

 「足跡の種類は?」

 「登りは3種類。スニーカーとサンダル、被害者のものです。降りは2種類でスニーカーとサンダルのものです」

 「…サンダルの足跡の上からスニーカーの足跡があるが、その逆はないな。…調べたのか?」

 「いえ…。…重要なのですか?」

 「あぁ。同一人物が別の靴を履いて二回上った可能性があるだろう?」

 「…そうですが。…それが分かると何に繋がるのですか?」

 「お前も言っただろう?不自然だと。…この遺体は偽装された可能性が高い。ということは何か見られたら困るものがあったはずだ。それを見つけ出す」

 「…そういうことですか」

 「お前の考えはどうなんだ?お前から見て不自然な所はないのか?」

 「…子宮に刺さっていた木の枝ですが、…あんな太いの入らないと思います」

 「…それは…、俺は女性じゃないから分からないな」

 「そういう意味ではありませんっ!…あれは死後に刺されたのではありませんかね?」

 「「…」」

 「萩原楓殺人の容疑者達のアリバイは?」

 「萩原楓の後輩は二人とも会社で仕事をしていました」

 「日曜日にか?」

 「萩原楓はキャリアウーマンでしたから。…引継ぎで忙しいようです」

 「そうか」

 「あの青年もアリバイがありましたしね…。身長や靴のサイズも違いました。…そもそも、この二つの事件は関係ないのではありませんか?」

 「…」

 「…警部補?」

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