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今日はダンジョンマスター専用の疑似空間街。
[エンディングパラダイス]
どんなパラダイスだよ!
あ、ここでの仲間達を紹介するね?
うん、仲間…だよね?
何でみんな目を逸らすんだよ?!
ぼくの寝室から外に出ると、どうも4階階にぼくの部屋は有るらしい。
部屋には窓が無いが、灯りは魔道具でつけられる。
そこから少し歩くと階段があって三階に眷属の部屋いくつか有った。
これから眷属は増えていくのだろう。
二階は執務室が有り、ここからダンジョンを運営する。
その隣に応接間と客室が有った。
客って来れるのかな?
一階は広間と食堂と厨房があった。
デッカいなぁ、と思ったら地下に倉庫や鍛錬所と作業場があった。
一階の玄関出たらダンジョン、では無く綺麗な街並みが見える。
ぼくの家は庭付き一戸建ての屋敷に見えるが、他の家も似たような造りをしていた。
パッと見普通の街、しかも地球の日本の土地が広くなった感じだろうか?
街の中央に大きくキラキラした大木が有り、その下に公園があった。
公園には稀にパニマ様の遣いの天使ローライト様が降臨する。
主にダンジョンマスター達への連絡でだ。
ただ、来た時。
会話はしても、いちいち此方をゴミを見る目で眺めるのはやめて欲しいデス。
ドS天使マジ怖い。
この疑似空間の街はダンジョンマスターなら誰でも移動可能らしいので、散歩して見た。
最初の日は誰にも会わなかった。
翌日から、1人、また1人とすれ違う様になった。
「こんにちわ。」
挨拶は大事なので勇気を出して声を掛けてみる。
「あら、こんにちわ。」
と柔らかく微笑みながらお辞儀を返す人。
ぺこりとお辞儀を返されるも此方を見ていない人。
「おう!ちわ〜!」
やたらと元気がいい人。
「あ?」
飢えた狼みたいに警戒心と殺気と共に睨んでくる人。
返事は無いが、ドロリとした濁った瞳で此方を眺めるヤンデレ風味な人。
「なーなー、あんさんどこから来たん?」
と、根掘り葉掘りねじ込んで聞きにくる近所のヤバイオバハンみたいな人。
本当に色んな人がいた。
後半の三タイプは、流石にぼくは苦手なので対応しようもないから、お辞儀をして逃げた。
てか精神的に受け付けない。
慣れる事が出来るのだろうか?
前半の人達は、一見マトモそうなのだが。
笑顔過ぎて逆に何考えてるか分からない怖さが有る。
まぁでも、差し障りの無い会話はしてくれる。
距離感超えなきゃ大丈夫なタイプだろう。
一つ分かった事は、ここには心のギズや罪だけでなく。
腹に逸物抱えている人達を集めた場所なのだなぁ、だった。
パニマ様曰く、ダンジョンマスター同士の横繋がりは、緊急時に役に立つから必ず仲良くする様にって転生前に言われている。
それだけでも無さそうなんだけど、まぁ知り合ったばかりだから喧嘩しない程度に顔見知りから知人位になれたら理想だな。
友達になるには、彼らの相手は中々難易度が高そうだとおもった。
まぁ多分、相手からも思われている事だろう。
ともかく、焦らずのんびりやっていこうかね。