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ブリガン氏が担当ダンジョンのあるテーヴェ軍事帝国。

そこは、元々農作物が作り辛い緑地の少ない岩肌の山々に囲まれ、鉱山から出る金塊や特殊な魔鉱石を産出する土地の小さな狭い集落が国のスタートだった。

その為、その鉱物を使った武器や魔導具を食料や資金と交換し、更には傭兵として国軍を鍛え海外に貸し出したり。他国と小競り合いを繰り返し暗躍をし続ける。

いつしか他の小国を貪欲に飲み込み、そこそこ大きな国を作り上げて行った。

そして彼の国は軍事帝国としてまるで戦国時代の武田家のように広がって行くのだ。

後にゴーレムロボを作り、必死に娘の運命を変える為頑張り過ぎた何処かの親バカ転生者に野望を潰されるまでは…。


そんなテーヴェ北側のザナスト迷宮は初心者向けを外すと5つだ。

現在5つ全ての設定が今は悪い方に振り切れていた。

そこは、ブリガン氏が溜に溜めたDPを大放出が原因でした。

迷宮の魔物保有数キャパを超えたら迷宮からスタンピード放出する裏技を悪用し、よりにもよって入口付近で魔物を大量設置。

そして現在絶賛スタンピード開催中。

流石に多少のスタンピードは、ダンジョンをキチンと対応しない者達への罰と世界のアクセントとして認可されてはいるにはいる。

だが、今回の様な意図的な大量の魔物が暴走湧きするスタンピードはその国が滅ぶ案件で、事故でなくダンジョンマスター罰則規定に引っかかる。

現在発見されたブリガン氏は、地獄的な魂の牢獄で拘束されダンジョンマスター権限を取り上げられ。

何らかの罰則を受けているらしい。

うん、何か罰則を聞くの怖いから聞かなかったことにする。

で、次のダンジョンマスターが決まるまでの間、ぼくらで分担対応する事が確定となった。

拒否権はないと即答でした。


因みにスタンピードは、転生者でチート加護持ちな高レベル冒険者達にパニマ様から要請を出したとかで無事終結したみたいです。

良かった良かった。

て言うか、ぼくからしたら加護持ちとか勇者って面倒ごと押し付けられる委員長的な印象なんだけど。

彼等はオレツエーしてる間は気付かないんだろうなぁ。

パニマ様達神々は、加護持ち使いが荒そうです。


あ、ぼくの担当は4の迷宮・アルフィー地下神殿跡になったよ。

何だか三人組のユニットを組んだバンドを彷彿とさせるダンジョン名だったよ。

他にもラルク雷迷宮とかボーイ迷いの森とかヴァンプ火迷宮とかグレイ水迷宮とかセーキマ塔迷宮など、ブリガン氏の前世での音楽趣味が透けて見える名付けだった。

…嫌いじゃないよ、セーキマ塔とか特に。

フハハハハハ!

とか高笑いの声が定期的に響きそうなダンジョンだけどね。


まぁそんな訳で、急遽担当になったアルフィー地下神殿跡地迷宮を現在再調整中。

もっとも、操作する場所はこれまでと変わらないから慣れるまではちょっと忙しくなるくらいだったよ。

尚、折角の地下神殿跡地なのに、蟲だらけのダンジョンでした。

なので、ぼくは不死者中心のスケルトン以外物理攻撃が効かない采配で難易度の少し高めのダンジョンにして見ました。

アレです、MMOとかでたまにある聖職者とか魔法職向けダンジョンだよ。

たとえば、物理攻撃が効かない魔物を聖職者なら破邪滅魔法か回復魔法で不死者なら攻撃出来ます。魔法職ならどれでもあたります。魔法壁を使えば、防御兼小規模の範囲魔法になるので、標的真っしぐらなイノシシ的性質の魔物がレベル上げに良いらしいヨ?

難易度と言うと、神力や魔法が使えれば楽な迷宮です。

物理攻撃不可なので、魔法職や聖職者が居ないと一階のスケルトンしか倒せません。

ここのスケルトンはスライム程の弱さな為、ぶっちゃけ物理攻撃系統の職の人からすると経験値に旨味はないです。

そんなニッチな迷宮の中には魔法が一切使用出来ない。とか、金属製の武器防具だと動けない&重力負荷がかかって攻撃力が下がるので、木製革製武器防具や素手限定で攻略推奨なんてのもあるんだそうな。

そう言う縛りプレイを要求するダンジョンは、MMOやRPGで偶に苦労させられるけど迷宮作りで考えると楽しいかもしれない。

ダンジョンの入り口の石門に、ここは物理攻撃不可、と雑草に隠れるほどの隅っこに小さくヒントを刻んでおく。

システムの切り替わった迷宮にヒントも無いのは挑戦者がとても哀れだからね。

注意深い観察眼持ちなら、それで対策を練るだろう。

もっとも、迷宮に対策を練らずに来る無策無謀な者は、早死にし易く冒険者には向かないと思うからね。

ちなみに、聖職者や薬師や錬金術師の冒険者は国によって待遇が違う。

事前に調べた結果、テーヴェだと神々を祀る教会の力が弱く、攻撃が役に立たない使い捨ての足手まといといった扱いなのだ。

一軍や一パーティに一人でも聖職者や回復魔法持ちや薬師や錬金術師が居るのと居ないのでは長期的に見てかなり違う。

その認識の甘さを反省を促す罰としても機能させる事にした。

が、百年も経過すると、アルフィー地下神殿跡地は隣接する他国へと低価格にて譲渡された。

認識の甘さを変えられず攻略出来ない迷宮は、彼等にとってお荷物となった様だ。

後に、アルフィー神殿跡地を中心に崇拝する神々の垣根を超えた沢山の聖職者が鍛錬に集まり。

ファーブラの神々を全て祀る多神宗教の総本山、アルティメット教皇国が出来上がるのは別の話。

てか、必殺技のようだよアルティメットとか。

究極・最大・最高的な意味合いかなぁ?

間違ってもスポーツ競技的な意味合いではない、はず?

間違いなく名付けた人は重度の厨二病患者だろうな。

残念ですが手の施しようが…。

と、後世に黒歴史を刻んでると思うのだけれど、どうだろう?

尚、アルティメット教皇国のイメージは、日本のゆるい時代の熊野神社や伊勢神宮や出雲大社足して割った様な場所で、一般人が迷宮まで行かなくても宗教の聖地的な観光地として人気スポットになった。

山の頂上にアルフィー神殿跡地迷宮が有り、そこを六芒星で囲む形に大きな神殿が有り。

海岸近くの平地に、パニマ創造神様の大きな神殿とアルティメット教皇国の主要都市が広がって居る。

六芒星で囲ったのは、ぼくが担当する原因となったスタンピードの事が民間にも広く伝わっており。

六芒星配置の神殿に居る各神官達が毎日欠かさず結界をはり、民衆への被害を抑えて居たからだ。

キチンと学んだ例だよね。

六芒星の結界内に入れるのは、許可を得た聖職者や一部の冒険者達だった。

まぁ物理攻撃効かないのは普通の人でも危険だからね。

そんな感じなので、ティーヴェが滅んだ後もアルティメット教皇国は上層部が腐るまでは永らく繁栄したらしい。

因みに、ぼくが担当代理したのは120年位だったかな?

次の担当者が同じ系統のダンジョンを作成したかは分からないけれど。

引き継ぐ時に環境や前の迷宮の傾向は参考資料に入るから、気をてらわなければ変えないと思うよ。

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