現在、過去を顧みて未来を語らう~大橋秀人さんへのクリプリ2108参加特典ギフト小説~(200文字小説)
ここへ来るのは何度目だろう…。
方向音痴の僕でも迷うことのない場所。
間もなく、階段を上ってくるカエデの姿を見つけた。
僕はいつものようにカエデの姿をカメラで追う。
そして、そのあとをついて来る小さなカエデも。
「またやってたでしょう」
「まあね」
「見せて」
カメラの画像を覗き込むカエデ。
「私にも」
小さなカエデが顔を割り込ませる。
「やっぱりママの方が格好いい」
むくれた顔の僕たちの娘は若い頃のカエデにそっくりだ。