表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

彼の名は

なんぼでも作品を作るぜ。

よく晴れた朝、彼は起きたらすぐに本に目を向ける。

ウイッチクラフトブックという名のその本には

何やら文字と六芒星の陣形がかかれていて、新しい真っ白な

ページに彼は新たな文字と六芒星をかきはじめる。

文字は古代文字で、世界でも限られた人しか知らず、

扱うことのできない類いのものだ。本来は...



「マジックアーツ。タイプ3

ファイア系、水素の焼却による光と熱。

魔力により発動地点に水素を集中、プチファイア自動

発生。速度最大、起動式を構築。

命名、プロミネンス...クラフト!」



本が輝き新たな魔法が追加される。

この世界にとって、本というものは非常に

大切なものになる。命授かった瞬間から、その本は

必ずそばにある。ただし一冊だけ。

本に中身はなく、そこに己の手で書き足していく。

怠ければ生きては行けず、才能にも左右される。



ウイッチクラフトブックに記したことは

己の魂と直結し、料理を書けばレシピを、魔法を書けば

魔法を使い、記録することができる。

持ち主の死後、本は突然と燃え始める。その本の情報を

外部に漏らさないために、本もまた自殺するのだ。

それ以外では如何なる事があろうとも本が死ぬことはない。

本は魂と直結しているため、どんな場所にあっても

呼び出せる。



「炎の本は、どこにしまうんだっけな...」


彼の名はフラル。またの名は杜多冬樹。

この世界の理から唯一外れた最強にして最高の存在。

神さえ行き着かなかったすべてを支配し、自由を

得る力を手に入れ、世界さえ知らなかった世の理を勘づいた。

故に彼はすべてを知る。あとはそれを本にかき写すだけ。

彼の手にかかれば本に写さずとも自分の知識として

存在していたら、はたまたしていなくとも、魔法でもなんでも

使うことができるだろう。だが彼は本を書くのを

楽しみとし、今はそれを生き甲斐としている。



ウイッチクラフトブックは本来一冊しか持てない。

この世界のどの国立図書館よりも大きい彼の家の

本棚はすべてただの知識ではなく、彼の魂と直結している。



「うーん...たまには外に出るかなぁ。

軽くー100年くらい?修学旅行としよう。」



そんな彼も御年3611歳。

神に召喚されて、ここ異世界に来たのが

すべての始まりだという。



かれは奥山の家を出て一本の木の前にたち、

そのきに手をかざす。



「ウイッチクラフト、樹木を木材に、

木材を棒に、棒と木材で木刀に変換。

クラフト」



木はたちまち姿を変え、わずか1秒ほどで

その木刀ができた。



「これで冒険者に変装できたかな?

ユナ。ちょっと100年くらい外に出てくるよ。」



「まって!私も行く。

血を人間たちに分け与えるなら

私がちゃんと厳選してあげるから」



彼は愛しの嫁、女神ユナに声をかける。

彼の唯一の永遠の嫁だ。



「よくお分かりで。よし、じゃあ行こうか。」



「うん!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ