第8話 実験の進展
第8話 実験の進展
あれから毎週訓練組の人数が減っていった。
初週 24人だったのが、二週目には20人、三週目には15、四週目には10人。そしてついに五週目マサル、銀と林麻里を除く全員が実験組に入っていた。
佐藤 慎は三週目にいってしまい、取り残された3人はやる気のかけらも残っていなかった。
どうやら距離を縮めるためにはある程度の運動できる必要があるみたいだ。だがマサルはできないわけではないのに全く縮む様子はなかった。
補佐の進藤さんも呆れていたが、それが仕事なので仕方なくしていたみたいだ。訓練でしていたのは、基本的な運動と何度も掴もうとする反復練習であった。しかし3人はとも全くの進展が見られなかった。
しかし、そんな時、翔は新たに距離を縮める方法ができ表彰されていた。それは落ち着くということであった。彼は心拍数と距離の関係性を調べ、遅いほど近くなることを発見した。
これによりマサルたちも多少近くなったが、マサルは1.3cm から全くの成長がなかった。
だがずっと何も変わらなかったわけではない。マサル、銀と麻里は下の名前で呼び合うほど仲良くなったのだ。銀は嫌々だったが。
麻) 「マサル、先に訓練組行かないでよ」
マ) 「どうかな、行けたら行きたいけどね。銀は?」
銀) 「どうでもいい、勉強さえできればこんなのは時間潰してればいい。」
ちなみにマサルがこれまでに銀と麻里について新しく知ったことを知っていた方がいいだろう。
まず、銀は意外と話すことが好きらしい。冷たい態度のようだが、父に似たところがある。俗に言う、ツンデレに近いのではないかとマサルは思っている。また運動はまるっきりできないために、黒球との距離も3cm から 2cmと半分までにはまだまだかかりそうだ。
次に林 麻里。マサル、銀と翔と同級生。可愛らしい子でマサルは好意を持っている。勉強もでき、マサルよりは少し頭がいい。しかし運動が大の苦手。身長が155cmと結構小柄なのに胸が大きく、その影響もあるのではないのかとマサルは分析している。ちなみに、黒球との距離は1cm別の人と比べると短いがで、頑張っても0.9cmと全く変わらない。
麻) 「銀って趣味とかあるの?」
マ) 「勉強?」
銀) 「なんでそんなことを言わなきゃ行けない、映画」
マ) 「映画とだけ言えばいいだろ」
麻) 「そんなこといいじゃん、でどんな映画」
銀) 「アクション、例えばピッグマン」
マ) 「俺も見たあれいいよな」
麻) 「何それ、聞いたことない」
銀) 「映画持ってるから貸すよ」
マ) 「なんでもってんだよ」
銀) 「入学の説明読んでなかったのか、理由つけて言えば、ただでもらえるって」
マ) 「プレーヤーとか画面は?」
銀) 「それももらった」
マ) 「じゃあ今度3人でみようよ」
麻) 「私は男子寮いけないよ。」
銀) 「そんなのバレないって」
マ) 「じゃあ、今日の夜で」
銀、麻) 「オッケー」
進藤) 「お前ら何話してんだ。遅れてるから真剣にやれ」
マ、銀、麻) 「はい」
その日の夜は3人で映画を見、ますます3人の仲は深まった。
だが、翔はマサルが銀と仲良くしていることが気に食わなかったみたいであった。