ギルド仮登録
前話に少し足したので、ご存知なかったかたは前話の下の方からご覧下さい。
ギルドか。この身体では久しぶり、ということになるのか?俺としては初めて、と言いたいとこだが。
うん。想像道理のギルドだ。
-カランっ。
ドアが開いた。
そこには酒を飲む男、給仕する女、依頼板を見つめるパーティ、冒険者同士で話す者、いろいろいる。
だが、やはり冒険者ギルドと言うべきか、ガタイのいいものが多い。例外はギルド員くらいのものか。
そんな中、1人の貴族然とした1人の優男がドアを開け、入ってきた。
銀の髪に、蒼き瞳をした美丈夫である。
その男は首を傾げ、まっすぐ受付へと進む。
うーん。
むさ苦しい。ここに来るの間違えたか?
まあ、いいや。
早く登録を済ませてしまおう。
なんか周りの目がめんどーだし。
「すいません。」
へー、受付は女か。
じゃあ、なかなか平和なのかもな。
冒険者は荒くれ者が多いって言うし。
「はい。冒険者ギルド、コトマン支部へようこそ。今日はどう言った要件で?」
うん、合格。
この俺の顔に見とれなかった。
……自意識過剰って?
いや?この顔だからな?
俺の顔ではなく、アルフの顔。
あの村娘のようになったらウザイだろ?
「登録をしたいのですが。」
「登録、ですか?ご依頼ではなくて?」
「はい。登録をお願いします。」
「……。わかりました。ギルドの説明はいりますか?」
説明か、何か変わってるか?
一応聞いとくか。
「大体は知っていると思うのですが、良ければ教えてくださいますか?」
「かしこまりました。では、ランクの説明から。ギルドランクはGから始まります。このGランクは仮登録であることを示しているので、実際はFランクから始まるようなものですが。」
ふむふむ。では、俺はGランクから始まるわけだ。
「上はSSSランクまであり、F→E→D→C→B→A→S→SS→SSSの順に上がっていきます。しかし現在、SSSランク冒険者は存在しておりません。SSランクに1人、Sランクに5人となっております。」
SSランクねえ。誰だろ?
プレイヤー以外にそんなに強いのいたっけ?
まさか、イグワーカンだったり?
「基本的にご自身のランク以上のランクの依頼を受けることは勧めておりません。受けられた場合は、自己責任。失敗すると多額の賠償金が発生します。その賠償金は、依頼のランクからご自身のランクが離れていればいるほど比率が上がります。」
へー。ランク上の依頼を受けても成功させればいいってこと。
「次に登録についてです。登録費に銀貨3枚いただきます。ギルドカードをお渡しいたしますので、それが当ギルドの会員証となります。ギルドカードを壊した場合は、その壊れた現物をお持ちいただければ、金貨3枚で修理致しますが、紛失、盗難の場合、再発行は致しません。」
再発行してないんだ。
でも、修理代高っ。
どれだけの壊れ方だったら修理できて、どこからは修理できないんだ?
粉々でも可?
「ギルドカードの情報は名前、性別、年齢、種族、職業以外は表示しないように設定ができます。ギルドカードに嘘は通じません。ご自身が知ろうと知るまいと関係なく、その人の事実を示します。」
ヤバくないか?
俺の名前って……。
えっ?スキルを無効化するのか?
「例えば、記憶喪失の者が新しい名前を名乗っていて、その名前を自分の名前だと認識していても、ギルドカードを作ればその者の元の名前が表示されます。」
ええっ。マジで?
ヤバくないか?
「次は職業についてです。職業は登録時にご自身で登録していただきます。これにはどのようにお答えして頂いても結構ですが、嘘をつくと、これからパーティを組もうとなされた時に苦労するでしょう。」
ふむふむ。じゃあ俺は魔法剣士か?
魔法も剣術も使うしな。
前も魔法剣士って一応名乗ってたし。
シアには似合わないってよく笑われたが。
「次にギルド内についてです。店ではランクに応じた割引サービスが受けれるほか、ランク上位者たちからの指導が受けれる講座を受けれたりします。」
じゃあ、ギルドの店を利用した方が得は得だな。品質が良ければ、だが。
「最後に、ギルド内での冒険者同士の喧嘩が起こった場合、当ギルドは一切関知致しません。」
うん。妥当だな。
「何かご質問はありますか?」
「では、仮登録から本登録になるために必要なことはありますか?」
「地下の試験場で、ある程度の武力を示して頂ければ構いません。その時の武力によっては初めのランクがDやCで始まることもあります。不死の天上人たちが天上に帰られてから万年人手不足ですので、有能な人材は遊ばせておけないのです。逆に武力が示せなければ、仮登録のままです。示せるようになるまで何度でも試験は可能ですが。」
あーじゃあ俺は手加減する必要があるわけだ。相手がどんなランクかは知らないが、俺は元々SSSランクだからなあ。
「たいていの者はこの試験で落ちることはありません。なので気軽に受けて下さればと。他にはありますか?」
「ギルドカードを粉々にしてしまった場合、どれくらいの部品があれば直せますか?」
ぶっちゃけ、あんまり柔いと粉々になる可能性が……。
俺、胸ポケットとかに入れちゃったりするから、何かに攻撃された時とかさあ。
いや、硬ければ逆に左胸に入れとけば、致命傷を防げるかも……。
「ギルドカードはミスリル製なので、よっぽど壊れることはないと思いますが、一欠片でもあれば修理可能です。修理とは言っても、実際はデータの移し替えと言った方がよろしいのかも知れませんが。」
ミスリル製ね…。
アダマンタイトくらいにしてくんないかな?ちょっと心配。
魔力通して硬化させとくべきか?
いやいやいや、そんなことより登録が問題なんだよ。
本名登録ってなんなんだよ。
だからこそ信用性が高いのかもしれないがな。
<すいません、マスター。>
うわっ、藍か。
びっくりした。
どうした?
<緊急時と見なし、心を読ませていただきました。登録に関してですが、登録後直ちに幻影のスキルをお使い下さい。そうすれば偽装が可能です。>
なるほどな。
ギルドカード自体は偽造不可能でも、その上から幻影をかけてしまえばいいわけか。
わかった。
ありがとう、藍。
「だいたいわかりました。説明、ありがとうございました。」
「いいえ、仕事ですので。職業は何にされますか?」
「魔法剣士でお願いします。」
「ま、魔法剣士ですね。かしこまりました。」
えっ。なんかマズったか?
魔法剣士ってもしかして少なかったり?
前も魔法剣士だったんだけどなあ。
このギルド嬢で良かったかもしれねーわ。
叫ばないし、騒がない。
「では、仮登録に移ります。この水晶の穴に指をお入れ下さい。」
穴ね。りょーかい。
「では、完了致しました。」
えっ何事?
何が起こったんだ?
指入れただけなんだが。
「えっ?何をしたのですか?」
「はい、皆さんだいたい驚かれますが、水晶中で魔力と、細い針を刺して血を貰い、登録を行いました。これによって、他人がこのカードを使うことを防ぐのです。」
なるほどな。全然痛くなかった。
「あと言い忘れましたが、このカードは銀行のカードとしても利用出来るのです。なので、盗難防止が大切なのですよ。」
確かに便利だし、他人が使えたら盗まれるな。でも、再発行が無いわけだし、全額預けるのも不安があるな。
俺の場合はアイテムボックスがあるから預ける必要性もないんだが。
「ではこれが貴方のカードです。」
よし、''幻影''
「ありがとうございます。」
お、上手くかけれた。
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名前 アルフ= ラーレ
Alfu = Rale
性別 男
年齢 1260歳
種族 竜人族
職業 魔法剣士
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Lv. 536
HP 55102/55708
MP 530075/545082
スキル:強運、探索、鑑定
魔法:全属性+治癒
加護:竜人族守護神の加護
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この下の部分が、隠しステータスか。
なるほどな。
スキルとかは見られると困ることもあるし、逆に信用が欲しければ、その相手にだけ見せればいいと。
「仮登録が済みました。このまま本登録へ進みますか?」
出来れば早く進めたいよな。
早いとここの街からも出て、次へ進まなきゃ行けねーし。
「はい。お願いします。」
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side ギルド嬢
なんなの、何なの、何な男~!
何、あの男、何者なのよ!
そりゃあ、入ってきた直後は''イケメンっ。今日の私、ついてるかもっ。''とか思っちゃったわよ!
でも、逆に厄日じゃないの!
なんであんなに強いのが初登録なのよ!ちらっと見えたけど、竜人族ですって?
最強の部族じゃないの。
ああいう、一見優男に見えるやつが1番怖いのよ!
し・か・も、魔法剣士!?
一体何年前の職業よ!
私もここに務めて長いけど初めてそれを職業にしている人に出会ったわ。
えっ、いくつですって?
殺すわよ。
女はいくつになっても心は20歳なの!
そんなことより!
なんなの?
擬態でもしているつもりなの?
全然隠せてないのよ!
これで絡んでくるやつがいたら、バカの極みだわ。
一応ギルド長を呼んでおかなくちゃ。
でも、あのサボり魔が来るかしら?
今日ばかりは来てくれなきゃ困るのだけど。
本登録が怖いわ。
誰にやって貰うのがいいかしら。
!?そう言えば、今はイグワーカン様がこの街にいたはず!
早く知らせなきゃっ。
それで試験官をしてもらえればラッキーよ!
ええーい!
私よ!生きよ!
うん。頑張る!
ギルド嬢
冒険者ギルドコトマン支部受付ギルド嬢
うさぎ族
臆病だが強気
強いものに敏感
逃げるが勝ち
コトマン支部に務めて長い、ベテラン
童顔、若く見える
でも年齢はタブー




