000 始まりの序章
初めての連載小説となります。
誹謗はやめてください。
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基本週1の連載です。
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あぁ、またあの夢を見ていたようだ。
頬には、1本の蒼い線がある。昔からそうだ。あの夢を見ると必ず涙が零れる。何故か知らないが。
泣くほどのものだったのか、と言われるとそうでもなく、ただ日本ではありえないような髪と目の色をした女の子と何だろうか――――約束をしているかのような、そんなものだった。
我が事ながら何故泣いたのか、分からなかった。ただ分かるのは『端から見るとおかしな人』ということだけだ。
この夢を初めて見たのは確か…小学校4年、いや5年のことだったか。
その日は夢のことをずっと考えていて――――いや、それしか考えられず、何事にも集中することが出来なかった。そう記憶している。
また、夢の中の女の子のことを考えると胸がきゅっと締め付けられるような何とも言えない、不可思議な感覚が僕を襲ってくるのだ。
このことを友人に話すと、
「あぁ、君もそんな感情を持つようになったのかい。いつも無愛想で周りのことなんてどうでもいい!って顔をしているから、君に感情というものがあることを忘れていたよ」
と、うっかりたはは、という風に笑われながら答えられた。
確かに僕は周りのことなんてどうでもいいし、気にもならない。さらに感情をあまり表に出さないので無愛想だと思われても仕方がないとは思うが、僕だって1人の人間だ。人には見せないが普通に泣くし、笑うし、怒ったりする。
僕に感情が今まで無いんだと思っていたかのように言っていた友人は、
「ところで、ところで。相手は誰なのかい?クラスの、いや学年のマドンナの時冬さんかい?それとも、『THEスポーツ女子』ともいわれる藍野さんかい?それとも、『純白』といわれるほど肌が美しくきれいな川口さんかい?それとも…」
などと、言ってきた。途中までは聞いていたが、5分程すると飽きてきて10分もすると聞く気も失せた。まだまだ続きそうなのでそっと他の人に聞きに行った。
その後、その友人は「何で他の人のところへ行ったんだ!まだまだ話し…いや語り足りなかったのに…と」とプンスカ怒っていた。
あんなに話してまだ足りないのか…と呆れていた。
他の人に聞いても「あ~、それは…」だとか、「ほぉ、ほぉ。で相手は?」だとか、「まじか…こいつにも…出来たのか…」とか色々言っていた。だが結局あの感情は何だったのか、分からなかった。
すると、メールが来ていることを知らせる、バイブレーションの音が聞こえてきた。
携帯のメールボックスを開くと、
TO:KHLんSCGかXWだSL’っW’MCびヴぇWN;ぉあ’「Wくぇ」
件名:おめでとう!!
貴方は今回、私が主催する参加することができるのです。光栄に思いなさい。
さてさて、パーティーの日時ですが
とここまで読んでいたときに、急に現実に引き戻された。友人が肩をトントンと叩き声を掛けてきたのだ。「おい!足元!穴空いているぞ!」と。
それが、事実かどうかを確認する前に謎の浮遊感が僕を襲い、そのまま意識はブラックアウトしていった。
最後に思ったことは、なぜかは知らないが僕の飼っている猫のみぃのことだった。
みぃはとても愛らしい、三毛猫だ。家の中にいると必ず僕の方へよってくる、甘えん坊でさみしがりやの猫だ。
そんな、みぃの鳴き声がずーっと聞こえていた。
みぃに「もう会えないかもしれない、ごめんな」と、謝った。その直後に意識がブラックアウトしていった。
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