「ノンジャンル」という名の夢の後(1111文字小説)
情報の更新を確認する為に、トップページを閲覧した時の事です。
「全掲載小説数 415045作品 登録作者数 829696人」
というテロップが上部に流れている事に気が付きました。
登録者数、80万人に対して、小説数は40万作品。単純計算をすると、およそ2人に1人が小説を書いている事になります。
しかし、1人の作家さんが必ずしも、1つの小説を集中して書かれているとは限りません。
長期連載をしている方でも、大抵短編を幾つか書いているものです。
100以上の小説を書かれている方も割と多いですし、中には、500作品、1000作品もの小説を書いている方もいらっしゃいます。
私も20作品を超えているので、「1人、20作品」と仮定して、どのくらいの作者さんがいるのか計算してみました。
400000÷20=20000
20000÷800000=0.025
という結果になりました。
つまり、小説を書いているユーザーさんは、全体の僅か「2.5%」にしか過ぎない訳です。
「1人、10作品」と仮定しても、「5%」にしかなりません。
「100人中3人程度」
かなり大雑把な計算になってしまいましたけれど、それほど見当違いではないと思います。「なろう」は読者の数が如何に多いのかがよく解りました。
そして、活動報告にてこの結果を発表したら、あまりの少なさに作家の皆さんはとても驚かれていました。
私も2〜3割ぐらいは居ると思っていたので、当然かも知れません。
そこに、1人のユーザーさんのコメントが私の目を惹きました。
「投稿小説数400000の中、200000が未評価作品。」(ユーザーさんから使用許可は頂いています)
このコメントに驚いた私は直ぐに「評価のない作品」と「感想のない作品」のコーナーの元に。
そして、私が目にしたものは……。
「ノンジャンル」と表記されている大量の小説でした。
試しに数人の作家さんのプロフィールを辿ってみると、何年も活動していない方が殆どでした。
ジャンル再編成が行われたのは3ヶ月前です。その間に一度でもログインしていれば「ノンジャンル」である事は気が付きます。
ましてや、春先から通知していたのですから……。
図らずも、ジャンル再編成によって全ての作品が「ノンジャンル」になり、「小説は残っているものの、作者さんが活動していない事を露呈する」形になってしまった訳です。
数年ぶりに活動を再開された方を存じ上げているので、全てが活動停止という事ではないでしょう。
しかし、何らかの事情で筆を置いてしまったユーザーさんが多いというのも事実です。
私はこの「ノンジャンル」の山を見て、夢が儚く散った様子を頭に浮かべ、小説を書き続ける事の厳しさを再認識しました……。
「ノンジャンル」の状態では、評価されてもランキングには載りません。
あくまでも、作者が新しいジャンルを設定する迄に一時的に置いておく場所に過ぎないんです。
つまり、「ノンジャンル」にしていても何も良い事はない訳で、実質「なろう」で今活動している作家さんは、先の数字よりも更に少ないのかも知れません。
※「ノンジャンル」作品は2000ほどであると指摘を受けました。
また、「ノンジャンル」のままで活動されている方も多い様です。
誤解を与える内容になってしまった事を御詫び申し上げます。