✒ 危険な子 6
舘嵜春加
「 姉さんは頻繁に《 囲碁サロン 》に通って、囲碁を打ってるよね。
姉さんの棋力は分からないけど、初心者じゃないんだから、そこそこの強さでは有るよね? 」
靉子
「 そうね……。
何せ小学6年生から通ってる御得意様だもの。
《 囲碁サロン 》が開催してる大会に参加した時は賞を貰えたくらいの実力は有る筈よ 」
舘嵜春加
「 そうだよね。
姉さんは立派な囲碁経験者だよ。
その反面、私はどうかな? 」
靉子
「 春加? 」
舘嵜春加
「 私は姉さんが読んでる囲碁漫画を偶に読むぐらいで、囲碁のルールなんて知らないよ。
囲碁なんてした事も無いの。
碁石を触った事も無ければ、碁盤を触った事だって無いよ。
碁石を触った事が無いんだから、碁石を持った事も無いし、掴んだ事だって無いの。
分かるかな?
時々囲碁漫画を読みはしてるけど、囲碁のルールなんて知らない、囲碁をした事も無いド素人なんだよ、私はね。
囲碁経験の全く無い妹に、囲碁勝負をさせて “ 仇を討たせる ” なんて無謀な事なんだよ。
姉さんと私の違いを理解してくれたでしょ 」
はい、言ってやっりましたぁ~~~~。
これで囲碁経験の無いド素人な私に、生意気な中学生に挑んで、「 お姉ちゃんの代わりにリベンジマッチして! 」なんて言えないでしょ!!
靉子
「 それが何?
そんな事は百も承知に決まってるじゃないの。
ちゃんと理解してるよ、春加♥️ 」
舘嵜春加
「 は?
理解してる??
何処がよ!!
姉さんは、囲碁経験が皆無な私に、囲碁経験の有る姉さんを完膚無き迄に叩きのめして負かせた中学生と “ 囲碁勝負をしろ ” って言ってるんだよ! 」
靉子
「 その通りよ、春加。
何も間違ってないわよ 」
舘嵜春加
「 ………………あのね、姉さん。
囲碁経験者の姉さんがボロ負けした相手だよ。
囲碁未経験の私が、その強い中学生と対局したからって、勝てる訳が無いのは決定事項だよ。
勝負以前の問題なの。
勝負する迄も無く、私は勝てないの。
私には姉さんの仇は討て無いの! 」
靉子
「 勝って、春加ちゃん!
お姉ちゃんの為に勝利をもぎ取ってほしいの。
やりもしないで “ 出来ない ” って諦めないで!
挑戦してみないと結果は分からないのよ、春加。
お願いよ、自分で自分の限界を狭めないで!
春加は出来る子なのよ。
勝てるわ!! 」
舘嵜春加
「 囲碁未経験者の私の何処に勝てる要素が有るっての…… 」
靉子
「 だって春加は他の子とは違うもの。
そんな気がするのん♥️ 」
舘嵜春加
「 『 そんな気がするのん♥️ 』で締めないでほしいんだけど! 」
靉子
「 兎に角、相手の生意気な中坊には、『 私の妹が、暘子と私の代わりにリベンジして、アンタをコテンパンのボロ負けさせて、泣かせるから! 首を洗って覚悟してなさいっ!! 』って宣言しといたから、宜しくね★
暘子と私の顔に泥を塗らない様に、やっつけてね! 」
舘嵜春加
「 はぁ!?
何を勝手に宣言しちゃってくれてんの?!
初めから私に拒否権なんて無いって事ぉ? 」
靉子
「 対局はね、明日の放課後なの。
《 自宅 》に速攻しないで《 囲碁サロン 》に来るのよ。
じゃあ、お姉ちゃんは入浴して来るからねぇ~~ 」
姉さんは嬉しそうに両手を振って、階段を上がって行った。
舘嵜春加
「 はぁ…………。
最低ぇ過ぎるでしょ、姉さん!! 」
妖精チック
〔 困ったね。
明日なんて、急過ぎるよ。
確かに最低だよ 〕
舘嵜春加
「( チック、どうしよう……。
囲碁なんて打った事ないのに……。
6子も相手にサービスしても勝っちゃう様な相手に勝てる訳ないじゃない )」
妖精チック
〔 春加──。
よし、明日はボクに任せて! 〕
舘嵜春加
「( チック?
任せるって囲碁勝負の事? )」
妖精チック
〔 そうだよ!
妖精のボクにとって、人間の娯楽は幼児のママゴトさ!
沈まない豪華客船に乗ったつもりで居なよ! 〕
舘嵜春加
「( チック、囲碁のルール知ってるの?
抑出来るの? )」
妖精チック
〔 囲碁なんてチョロスだよ~~! 〕
舘嵜春加
「( 有り難う、チック。
チックの言葉に素直に甘えるね )」
妖精チック
〔 うん!
それにしても靉子ってさ、春加以上にマジでヤバい子だよね。
全国模試で3位とは思えないよ。
大事な事だから、2度言ったよ! 〕
舘嵜春加
「( 私も言ったから3度目ね。
まぁ、実際には2位の人と同じ点数だったんだよ。
“ 舘嵜 ” って苗字を書いてたら姉さんが2位だったよ。
名前は “ あいうえお順 ” で発表されるから、苗字で損しちゃってるだけなんだよね…… )」
妖精チック
〔 そっか~~。
靉子の苗字は “ 廼衙 ” だったよね 〕
舘嵜春加
「( そっ、廼衙靉子──。
母さんの旧姓ね )」
妖精チック
〔 不便だよねぇ。
1つ屋根の下で暮らす家族なのに、表札が父方の姓
何
子供が産まれる度
夫婦別姓なんて、子供にと
≪ 日
家族の単位を消して、最終的には戸籍制度の廃止を狙ってるんだろうけどさ、そんな危険思想を持ってる政治家を政界にの
国会議員の資格を剥
ボクが美
舘嵜春加
「( 別に良
夫婦別姓を “ 選択する人 ” だけの問題で済まなくなるのは本
戸籍制度を廃止されたら先祖と子孫との繋がりが分からなくなっちゃうじゃない?
それって子孫としては困る事だよね。
国民に有害な法案を進める様
ちゃんと不
妖精チック
〔 春
よぉ~~し、明日
舘嵜春加
「( 明日
妖精チック
〔 あははっ★
良
よぉ~~し、春
妖精チックは嬉しそうに宙
明日
犯人が “ 妖精 ” なんて誰も思わないだろうし、どうでもいっか。
尊
家族を壊して、 ≪ 日
破壊的思想の政治家達が、政界から居