✒ 新天地で❌❌❌ 3
──*──*──*── 駅前
キノコン
「 舘嵜プロ、どうしたエリ?
突っ立っていたら危ないエリ 」
舘嵜春加
「 えっ??
………………此処は── 」
妖精チック
〔 《 駅 》だね。
戻って来れた──って事かな?
ボクの姿が見えなくなってるしぃ~~ 〕
舘嵜春加
「 戻って来れた?
本当に?? 」
妖精チック
〔 キノコンが居るし、春加の姿も元に戻ってるよ 〕
舘嵜春加
「 へ?
28歳の身体に戻ってる?! 」
キノコン
「 どうしたエリ?
手力の訓練のし過ぎで疲れたエリ? 」
舘嵜春加
「 え…あっ── 」
妖精チック
〔 どうやら、《 宿泊施設 》に戻る途中に戻って来れたみたいだね 〕
キノコン
「 疲れてるなら、ボクの笠の上に座るエリ 」
舘嵜春加
「 良いの?? 」
キノコン
「 勿論エリ。
途中で倒れても大変エリ。
遠慮しないで座るエリ」
舘嵜春加
「 有り難う、キノコン(////)」
私はキノコンの厚意に甘える事にして、キノコンの笠の上に座らせてもらう事にした。
舘嵜春加
「 キノコン、重くない? 」
キノコン
「 大丈夫エリ 」
キノコンの笠の上は不思議な感じがする。
クッションみたいに柔らかいけど確りしている。
抜群の安定感と安心感が半端無いかも。
《 宿泊施設 》の前に着いた。
キノコンの笠に座ったままの状態でエレベーターに乗る。
7階でエレベーターから出て、[ 宿泊室 ]のドアを会員カードをタッチして開けた。
キノコン
「 夕食は運んでもらうエリ。
食べたい料理が有ればメニュー表から選ぶエリ 」
舘嵜春加
「 有り難う、キノコン。
決めたら教えるね 」
キノコンの笠から下りたら、[ 宿泊室 ]の中へ入ってドアを閉めた。
──*──*──*── 宿泊室
舘嵜春加
「 チック、あれは夢じゃ無いんだよね?
本当に体験した事なんだよね? 」
妖精チック
〔 うん。
春加とボクが体験した事は事実だね。
途中退場しちゃったけどねぇ~~ 〕
舘嵜春加
「 途中退場?
途中退場ってどういう事? 」
妖精チック
〔 向こうの世界でボクは、春加を衛る為にありったけの神聖力を解放して奇蹟を起こしたからね。
その効力で春加とボクは、此方の世界へ帰って来れたんだと思うよ。
向こうに残った奴等は死んじゃったろうけどね 〕
舘嵜春加
「 死んじゃったって? 」
妖精チック
〔 神聖力を発動する為に全員の心臓を頂いちゃったからねぇ~~。
肉体は魔物に喰べられちゃってると思うよ 〕
舘嵜春加
「 ………………向こうでチックと私に良くしてくれた人達だったのに…… 」
妖精チック
〔 ボクは春加さえ衛れたら他が、どうなっても構わないよ。
春加が死んじゃったら、ボクも消滅しちゃうからね。
“ 神様 ” になるのを目指して頑張ってるのに、“ 神様 ” になれないまま消滅するなんて、ボクは御免被るよぉ~~ 〕
舘嵜春加
「 神聖力を解放したって──、今迄溜めた神聖力が消えちゃったって事? 」
妖精チック
〔 大丈夫だよ、春加。
増えた神聖力は無くなったりしないよ。
消費しちゃったからチャージする迄に時間が掛かるだけだよ。
心臓を喰べたら回復は直ぐだし 〕
舘嵜春加
「 それなら安心だね。
それにしてちゃんと戻って来られて良かったよ。
90%は諦めてたもんね…… 」
妖精チック
〔 今回は運が良かったかもね。
タイミングがバッチリに戻って来られるなんて、そう有る事じゃ無いからね。
また転移されなきゃ良いけどぉ~~ 〕
舘嵜春加
「 本当だね。
もう異世界は懲り懲りだよ。
チックが居てくれたから無事に生き抜けたもん…… 」
妖精チック
〔 頼む料理は決まった? 〕
舘嵜春加
「 うん、決めた。
キノコンに伝えるね 」
ドアをノックしてキノコンに合図を送る。
ドアを開けて、頼む料理を書いたメモ用紙をキノコンへ手渡した。
舘嵜春加
「 キノコン、お願いね。
私は入浴してるよ 」
キノコン
「 分かったエリ。
運ばれて来たら中へ入れとくエリ 」
舘嵜春加
「 有り難う。
じゃあ、会員カードを渡しとくね 」
キノコンに会員カードも手渡してドアを閉めたら、入浴する為に[ 洗面脱衣室 ]へ入った。
入浴を終えて[ 洗面脱衣室 ]から出るとテーブルの上に頼んだ料理が並べられていた。
キノコンに渡していた会員カードも置かれている。
妖精チック
〔 春加、ゆっくり食べなよ。
急いで食べると胃が吃驚しちゃうからね 〕
舘嵜春加
「 そうだね。
久し振りの和食かぁ……。
“ 帰って来れた! ” って実感するね 」
頼んだ料理は和食。
向こうでは食べれなかった懐かしい料理ばかり。
感無量で涙が出て来ちゃう!!
今夜は久し振りにぐっすりと熟睡が出来そうかな!