⭕ 新天地で❌❌❌ 2
──*──*──*── 夕方
──*──*──*── 廃墟の工場
舘嵜春加
「 んぅ~~~~。
結構回れたね。
幸先良いんじゃない? 」
妖精チック
〔 そうだね。
残りは明日に回して今日は帰ろっか。
《 宿泊施設 》に着くのは20時過ぎちゃうかな。
明日は今日より早目に切り上げよ 〕
舘嵜春加
「 チックがそれで良いならね 」
廃墟の《 工場 》から出たら、出入り口で見張り役をしてくれているキノコンに声を掛けて一緒に《 宿泊施設 》へ帰る。
普通なら色々と聞かれて追及されると思うんだけど、見張り役をしてくれるキノコンは何も聞いて来ない。
有り難いんだけど……、私の事を怪しんだりしないのかな?
キノコン
「 どうしたエリ。
何か心配事でも有るエリ? 」
舘嵜春加
「 えっ? 」
キノコン
「 舘嵜プロから、熱烈な視線をビンビンと感じるエリ 」
舘嵜春加
「 あはは…… 」
妖精チック
〔 春加、動画配信の事を相談してみたら?
未だしてなかったよね 〕
舘嵜春加
「( そう言えば──!
そうだね、丁度良いし話してみよっか )
えぇとね──、動画配信の事で相談したい事が有って── 」
キノコン
「 動画配信エリ? 」
舘嵜春加
「 うん。
今はスマホで手軽に動画の撮影が出来るし、編集も出来るでしょ?
私も挑戦してみたいな──って思ってるんだけど……操作の仕方が今一分からなくて…… 」
キノコン
「 それなら問題無いエリ。
キノコンはスマホを使った動画撮影は慣れてるエリ。
撮影も編集も御手の物エリ。
分からない事は遠慮しないで何でも頼るエリ。
舘嵜プロの憂いは専属マネージャーのボクが解決して晴らすエリ 」
舘嵜春加
「 有り難う、キノコン。
助かるよ 」
キノコン
「 どう致しましてエリ。
( 確り頼ってキノコンに依存してもらうエリ~~ )
動画に撮るのは囲碁エリ? 」
舘嵜春加
「 えぇと……囲碁じゃなくて──、手力を使って物体を浮かせたり動かしたりするから、それを撮影してほしいかな 」
キノコン
「 エリ?
動画撮影する為に手力の訓練を熱心にしていたエリ? 」
舘嵜春加
「 ま…まぁね~~。
それも有るかな?
あはは…… 」
キノコン
「 物を浮かせたり、動かしたりするエリ?
まるで魔術師みたいエリ。
囲碁業界を離れて魔術師が活躍するマジック業界へ転職する予定だったエリ? 」
舘嵜春加
「 えっ?
いや…………まぁ…それも候補には有ったかな?
あはは…… 」
キノコン
「 先ずは室内で軽そうな物から少しずつ動かして、徐々に浮かせて、少しずつ左右や上下に動かしたり、クルクルと回したりすると良いエリね。
徐々に大きい物,重たい物へ変えて行くエリ。
視聴者を焦らしてみるエリ。
時々は、外に出て《 公園 》とかで撮影もするエリ。
どんな動画が完成するか今から楽しみエリ 」
舘嵜春加
「 本当だね 」
キノコン
「 手力で碁石を動かして対局するのも面白いかも知れないエリ。
炎上させようと画策する馬鹿が現れても気にする事は無いエリ。
居場所を特定して、キノコンが始ま──懲らしめておくエリ 」
舘嵜春加
「 今、“ 始末 ” って言い掛けた?? 」
キノコン
「 エリ?
何の事エリ~~?
キノコンは “ 始末 ” なんて物騒な単語は使わないエリ★ 」
舘嵜春加
「 そ…そう? 」
キノコン
「 動画撮影に必要な準備や小道具の調達はボクが担当するエリ。
動画撮影したい時は声を掛けるエリ 」
舘嵜春加
「 有り難う、キノコン 」
キノコンと話してる間に《 駅 》に到着した。
スマホの “ お財布ケータイ ” の機能を使って、改札口のパネルにタッチする。
スマホの画面には、公共交通機関の電車版が出ている。
新幹線版,バス版,飛行機版,船版とか色々と種類が有るみたい。
一々切符を買わなくて良い便利な機能で助かる。
電車の中で駅員さん切符拝見の時も画面を見せるだけで良いみたい。
電車に乗車して、宿泊している《 宿泊施設 》が建っている《 駅 》まで向かう。
帰宅ラッシュと被っちゃったみたいで、次第に混んで来る。
明日からは帰宅ラッシュを避けて乗車しないとね!
目当ての《 駅 》に到着しだから電車から降車したら、階段を下りて改札口へ向かう。
改札口にスマホをタッチして出たら────。
青空が何処迄も果てしなく続いている草原だった。
舘嵜春加
「 えっ??
あれ??
どゆことぉぉぉぉぉぉ~~~~~~!? 」
妖精チック
〔 あれぇ?
ボクの体実体化してるね。
此処は何処かな~~?? 〕
舘嵜春加
「 ≪ 日本国 ≫じゃないよね??
それより、キノコンは?! 」
妖精チック
〔 姿は見えないね。
どうやら、春加とボクだけが≪ 日本国 ≫じゃない何処かに飛ばされたみたいかな~~ 〕
舘嵜春加
「 な…何で?? 」
妖精チック
〔 ボクにも分からないよ。
ボクの姿が “ 実体化してる ” って事は、この世界には “ 魔物 ” や “ 怪物 ” の類いが生息してるって事だね。
春加、日が暮れる前に人が暮らしてそうな場所を探すよぉ~~。
近くに≪ 村 ≫らしき場所がないか、分身体に周囲を散策さするね 〕
舘嵜春加
「 う…うん……お願い、チック………… 」
………………これって漫画とかアニメで良く有る異世界転移ってヤツ??
チックの姿が実体化してるし……。
キノコン…………急に消えちゃって心配してないかな……。
妖精チック
〔 春加、向こうに≪ 村 ≫が在るよ。
行こう 〕
舘嵜春加
「 う…うん…… 」
妖精チックの案内で≪ 村 ≫が在るらしい方向へ向かって歩く。
何処までも続いている草原は見晴らしが良過ぎる気がする。
チックが「 “ 魔物 ” や “ 怪物 ” の類いが生息してる 」って言ってたけど、私……戦えないんですけどぉ!!
妖精チック
〔 春加、若返ってるね。
14歳か15歳くらいかな~~? 〕
舘嵜春加
「 えっ?
そうなの??
全然、気付かなかった……。
ねぇ、チック。
これってさ、異世界転移ってヤツだよね?
ちゃんと≪ 日本国 ≫に帰れるのかな? 」
妖精チック
〔 今は何も分からないね。
分身体に色々と探らせてみるよ。
戦えない春加は、ボクが守護るからね! 〕
舘嵜春加
「 有り難う、チック(////)
何とかして ≪ 日本国 ≫へ帰る方法を探し出さないとね! 」
取り敢えず、転移したのが1人じゃなくて良かった(////)
チックが居てくれるだけで心強いし、何とか生きていけそうな気がする!!
クヨクヨなんてしてられないね!
右も左も分からない世界だけど、何としても “ 新天地 ” で生き抜かなくちゃ!!
◎ 訂正しました。
妖精チック ─→ 妖精チック
「 」 〔 〕




