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☀ 妖精さんと私  作者: 雪*苺
【 14年後 】
11/23

⭕ 危険な子 11


──*──*──*── 舘嵜春加Side


 チックが教えてくれる場所に打っているけど、チックの様子がなん?? 

 どうしたのかな?


舘嵜春加

「( チック、どうしたの?

   なにか有るの? )」


妖精チック

〔 う~~ん……。

  この子、“ しん ” って呼ばれるだけは有るね!

  全部、急所に打たれるんだよね。

  へんへんも容赦無くころされちゃうんだ。

  攻めてもんだよね── 〕


舘嵜春加

「( そうなの?

   盤上を見ても私にはが優勢なのか分からないんだけど…… )」


妖精チック

はるはボクに頼りっきりで囲碁の勉強しないもんねぇ~~。

  今回は勝てないかも知れないよ、ガチマジでね! 〕


舘嵜春加

「( それじゃあ、とうとう長年の願いが成就するかも知れないって事でいの?

   囲碁界からバイナラ出来るのって事! )」


妖精チック

〔 かもねぇ~~。

  でもでも、ボクは諦めないよぉ~~。

  最後までらい付いてくよぉ~~。

  ボクの辞書には “ 諦める ” と “ 敗北 ” は無いからね! 〕


舘嵜春加

「( この対局にけないと、敏腕マネージャーと化したねぇさんから逃げれないんだけど── )」


妖精チック

〔 だってさぁ、楽しいんだよぉ!

  こんなにワクワクする対局は初めてなんだよ。

  院生もプロ棋士も態度はいっまえだけど、みんなげきよわだしぃ~~。

  退屈してたんだよねぇ~~。

  でもでも、この対局は刺激的だよ!

  こんなにボクを追い込める棋士がたなんて知らなかったんだ。

  県をまたぐって大事だよね! 〕


舘嵜春加

「( そう言えば、都道府県に1人ずつ “ ほんいんぼう ” がるんだよね。

   ほんいんぼうは全国各地の “ ほんいんぼう ” と対局して勝ち残ったから “ 囲碁界のトップ ” って言われてるんだよね?

   ほんいんぼうと対局するには、全国(都道府県)の君臨してる “ ほんいんぼう ” 達と対局して敗北無しの46勝しないといけない。

   最後の47勝目を勝ち取る為には、ほんいんぼうに勝たないといけない。

   勝てたなら、あらたな “ ほんいんぼう ” となれる──。

   だけど、“ ほんいんぼう ” になると全国(都道府県)ほんいんぼう達が、“ ほんいんぼう ” を取る為にまいとし開催される【 ほんいんぼう死守戦 】に出場してる。

   まいとし46勝し続けて “ ほんいんぼう ” を死守しないといけないエンドレス地獄な人生が始まるんだよね。

   私は “ ほんいんぼう ” にはから、チックにはわるいけど “ ほんいんぼう ” にはいどみたく無いんだよね── )」


妖精チック

〔 気持ちは分かるよ。

  “ ほんいんぼう ” になると、全国(都道府県)ほんいんぼう達と挑戦権を得たプロ棋士達との対局がほとんどになるから、詰まらなそうだからねぇ~~。

  行動範囲も制限されちゃうし、ボクも御免かな~~ 〕


舘嵜春加

「( この子は全国(都道府県)ほんいんぼう達に勝てると思う? )」


妖精チック

〔 断然勝てるだろうね。

  彼はボク相手に勝負碁を打ってないんだよ 〕


舘嵜春加

「( どういう事? )」


妖精チック

〔 盤上を見ても分からないはるに言ってもけど──、彼はボクに指導碁を打ってるんだ。

  だからボクも指導碁で応戦してるのさ。

  どっちも指導碁で攻防してるから、奇妙な棋譜になってるよ 〕


舘嵜春加

「( 指導碁と指導碁が盤上でって事? )」


妖精チック

〔 そうだよぉ~~。

  このレベルの棋力なら、全国(都道府県)に君臨してるほんいんぼう達にいどんでも楽勝で勝てるだろうね。

  指導碁で軽くね~~。

  それだけの強敵って事だよ。

  とんだものを育てげたもんだよ。

  いやぁ~~恐れるねぇ 〕


舘嵜春加

「( 勝てそう? )」


妖精チック

はるにはわるいけど、負けたくないなぁ~~。

  ギリギリまで追い込むよぉ~~ 〕


 チックは珍しくメラメラと燃えてる。

 チックを本気にさせるプロ棋士なんて初めてね。

 チックのしんせいりょくも高めないといけないし、やっぱり全国を旅する夢は諦めたくないかも。


──*──*──*── 久賀瀬千晴Side


久賀瀬千晴

「( この人、強い!

   強過ぎるよぉ~~~~!!

   こんなに強いなんて……づる先生より強いかも知れない!!

   だけど、神佛かみさま相手にも手加減はしない。

   づる先生にもキノコンにも勝たせてくれるんだから──。

   僕が神佛かみさまの教えてくれるとおりに打ちさえすれば、この対局でも神佛かみさまは僕に勝たせてくれる── )」


 僕は神佛かみさま相談(お伺い)しながら碁石を打つ。

 神佛かみさまはるプロに対して指導碁を打っている。

 はるプロも指導碁で打ち返してる。


 指導碁に指導碁で返してるプロ棋士がるなんて、初めての事だ!

 はるプロは、僕にける気なんてけらも無いんだ──。

 こんなにらい付いてるなんて──、勝利への貪欲さは見習わないと!!


 こんなに強いのに囲碁界からサヨナラしたいなんて──。

 これだけの棋力が有るなら、【 打倒、ほんいんぼう 】も夢で終わらないかも知れない。

 たくされちゃったら困るなぁ~~。


 囲碁を打つのは好きだけど、“ ほんいんぼう ” にはいどみたくないし──。

 かんざきはるプロの【 打倒、ほんいんぼう 】はずぇたいに受け継ぎたくないっ!!


 僕は、おちゃん,おちゃんみたいに《 碁会所 》の管理人になって、のんびり楽しく囲碁ライフを送りたいんだ!!

 生活する為には生活資金が必要だから、賞金を獲得する為に対局を受けたりはするけど、“ ほんいんぼう ” にいどむ気はさら(さら)無い。

 出来る事なら勝ちたくはないけど──、こんなに貪欲に勝ちにてるかんざきはるプロをまえにして、対局の腰を折るなんて出来ない!!


 このまま、神佛かみさまに勝たせてもらう事がかんざきはるプロに対して真摯に向き合う事になる!!

 打ち続けなくちゃ!

 今回の対局も勝たなくちゃ!!

◎ 訂正しました。

  生活するの為には─→ 生活する為には

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