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キケロー

独裁官がお忍びで出席された事もあり、祝いの場では何も怒らなかった。


宴会後、密偵の情報によると若い青年を罠に嵌めた連中は今回の件を喜び、表面では得意のおべっかと貢ぎ物でスッラのご機嫌を取ろうとしていた。


私も失脚させられる日が来るのだろうか。


そんなことを考えていた私に青年が話しかけてきた。


ユピテル殿、本日はありがとうございました。


いやいや、力になれなくて申し訳ない。


私はラケーレのことを考えるとやはりこの青年が死地から遠ざけることに尽力したい。


私は青年に話した。


君はキケローを知っているかね?


青年は頷く。


そうか、キケローは私の知人でとても弁のたつ若者だ。彼の話術と情報力があれば君を嵌めた貴族連中を破滅に追いやることができるかもしれない。


君は明日戦地に向かうが、私は君が戻ってきた時に無事が保証される環境を整えておきたいのだ。


青年は私に深々と頭をさげ、部屋に戻っていった。


さて、私はもう一働きするか。

私は密偵を使いに出し、若き天才キケローに書面を送った。

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