表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/26

老境

スッラは自身の体に衰えを感じていた。


政治や財務などのストレスから、退廃的な生活をより好むようになっていた。


スッラは青年期を生活困窮者たちの安宿で過ごし、酒と女、美少年を愛する退廃的な生活を送った。


体力の衰えがより顕著になって来ると、スッラは若き頃の生活を懐かしみ、気楽な日々を取り戻そうとしているかのようにも見える。


日々のストレスは人事からも来ている。


例えば、建前上はスッラに忠実なように見えるポンペイウスだが奴は頭がきれる。


一部の連中も勘づいているが、ポンペイウスは忠実なフリをして、利権と政界での発言件を日増しに強めている。


奴はスッラに見切りをつければ、今すぐにでも現政権を武力で打倒することもできるだろう。スッラなき後に武力にものを言わせ、ローマを掌握するかもしれない。


私を含めた元老院議員たちは、この危うさをスッラに提言した。


返答は決まって「安心せよ、それよりカエサルだ!」


ローマの安定は今や、60の老境に立とうとしているこの独裁官に委ねられている。


町では度々不審火が起こり、焼け野原となった土地が捨て値で売られ、それをクラッススの商会が買い叩く。


スッラは部下と自身を支える有力者にはとことん甘かった。


ただ、その甘さが現在の不安定な共和制に絶妙なバランスを与え、すんでのところで国家の崩壊を食いとどめていた。


誰もが、この危うい均衡状態は全てこの独裁官の存命にかかっていることを理解していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ