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スッラは激怒した

スッラは激怒した。


元政敵マリウスの甥にあたる、青年カエサルが何食わぬ顔でローマに現れたのだ。


カエサルはマリウスの甥にあたるが今回のクーデターやマリウスの動向に関与した形跡もない。


つまり、完全な白だ。


しかし、スッラは民衆からの人気と羨望の眼差しを集めるこの青年をどうも好きになれず、目の上のたんこぶといった様子だ。


スッラは幾度か暗殺を試みるも虚しく空振りに終わり、挙げ句の果てには側近であるポンペイウスらもカエサルへの温情をもとめてくるようになった。


「よいか、奴は危険だ。共和制ローマに終焉をもたらす存在なのだ」


奇しくも、スッラのこの言葉はカエサルの養子オクタヴィアヌスにより、スッラの死後30年程たってから現実となった。


スッラはローマに現れたカエサルは、影武者だと言うことは知っていた。


アレクサンドリアに暗殺を生業とする精鋭部隊を送り込んだが、この地で消息を絶ったカエサルの潜伏先は未だにつかめず、ローマでのカエサル人気は日増しに高まって行った。


これに危機感を感じた、スッラはカエサルの影武者を暗殺するよう部下に命じ、影武者を処分すると同時に、ローマ市民にはカエサルはアレクサンドリアに留学したと公表した。


カエサルの影武者は拷問の末、アレクサンドリア以東の部族集落にカエサルが潜伏している事を自白したが、これはスッラ死後にカエサルがかたったように全くのデマだった。


カエサルは、イタリア半島の目と鼻の先であるカルタゴに潜伏していたのだ。


カエサルの影武者は地獄の苦しみを味わい、陰部を切断された上で簀巻きにされ、重りとともに川に投げ込まれた。


何にせよ、スッラのカエサル抹殺計画は空振りに終わり、日増しにストレスとしてスッラの老化を早める結果となった。

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