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我々はあの男を殺さなければならない
スッラが戻って来る。
スッラは激怒した。
スッラが黒海周辺の領域をローマの手中に納め、ミトリダテースを死地に追いやるあと一歩の所で、またしてもマリウスの邪魔が入ったからだ。
スッラはマリウスへの憎悪で顔を歪め、天幕内の家財道具を全てひっくり返した。
高級品のガラス細工を叩き割り、象牙の指揮棒をへし折った。
天幕の中から聞こえる、怒声と罵声を聞いたスッラの将兵たちは、スッラが乱心したのではないかと気が気でなかった。
スッラは一頻り暴れると正気を取り戻し、部下たちに向けてこう言った。
「我々はあの男を殺さなければならない」
スッラはマリウスと親マリウス派をこの世から抹殺すべく、黒海周辺の占領した地域に軍団兵の一部を置き、主戦力を率いて、再びローマへと進撃を開始したのだ。




