スッラ再び現る ~マケドニア滞在から黒海へ~
ローマで再びクーデターが起ころうとするなか、スッラは遂に因縁のライバルであるミトリダテース王の討伐に乗り出す!!
スッラは、イタリア半島を出発すると、ギリシア半島の付け根にある小国マケドニアに自身の軍団を集結させた。
スッラは、そこで兵士たちに必要な物資の補給路と進撃ルートを半月ほどかけて綿密に練っていた。
しかし、多くの将軍たちが後に語ったように、前回の遠征で滅ぼしかけた敵のミトリダテース王の軍団はいまだ再編途中にあった。
そのため、スッラがマケドニアに集結した軍団を率い、電撃的なスピードでミトリダテースとの決戦に持ち込めば、即座に勝敗は決した事だろう。
この点だけを見れば、スッラの判断は明らかな戦術上のミスであったとも見える。
素人目で見れば、確かに明らかな失策なようにも見えるが、実際はスッラの綿密な作戦計画は後に項をそうしたのである。
というのも、この年の黒海周辺の降雨量は例年に比べて非常に少なく、それに伴う現地の穀物収穫量は激減していた。
そのため、もし仮に3万以上のスッラ軍団が補給なしでノンストップの進行を行っていたならば、兵士たちの多くは生存に必要な水・食料を調達することができず、兵の多くが餓死させる結果となったはずである。
そのため、スッラの綿密な作戦の立案と補給線の確保を主とした半月のマケドニア滞在を時間の無駄だった。
そう述べる者の大半は、スッラの死後、亡きスッラの愚痴や日頃の鬱憤晴らしのために創作されたデマであると考えてよい。
スッラが自身の軍団を引き連れ、マケドニアを出立した日、アレクサンダー大王と同様に、晴れ渡る空に一つの雷鳴が響き渡ったと言う。
「おお、我らの全能なるユピテル(最高神ゼウス)よ、偉大なるローマに栄光あれ!」
軍団兵の誰かが天に向かって叫んだ。
それを聞いた兵たちは一斉に空を見上げると、その場に跪き、「勝利よ、栄光よ、我々に来たれ」と祈りを捧げた。
祈りを捧げ終えた兵たちは、次々と軍船へと乗船して行く。
軍団兵たちの表情は皆穏やかで、まるでこれから起こる戦の勝利を確信しているかのようだった。
乗船作業は滞りなく進み、最後の船への乗船が完了した。
「諸君、時は満ちた」
スッラは満を持して軍団に号令をかけると、ミトリダテースの待つ黒海へと進撃を開始したのである。
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