67/67
数年後のあとがき
最近…再びよくジャズを聴く。そんなとき、ふっとこの小説を思い出した。音楽家になりたくてもなれなかった自分の等身大として、主人公の明日香を描いた。ママのような人との出会いがあれば…いや、すべては夢物語。
アナログレコードが再び脚光を浴びている中、マイルスディビスを一人聴く。
音楽をやるために手にいれたトランペットは、ケースの中だ。
楽器は鳴らすものならば、いずれ誰かの手に… 。
明日香が体験した夢物語のこの小説を、今読むべきなのは、自分自身かもしれない。