かき氷は私を裏切る
楽しんで頂ければ幸いです!
「ねぇ!いっちゃん、かき氷作ったよー!」
私はにーやんの呼びかけに、2階から飛び降りる勢いで1階のキッチンにかけ込む。
周りの人はちょっとすくむような極悪面のにーやんは優しく“笑い”、私のテーブルの前にかき氷を置いた。
雪のような氷の上に黒いソース?と赤いシロップがかかっていた。
「にーやん、これチョコソースと苺のシロップ?」
それだったら美味しそう!ワクワクしながら、にーやんに聞く。
にーやんは再び“笑い”、
「それはね、スミスをイメージして作ったんだ。」
我が家のアイドル黒猫、スミスが嬉しそうに“ニャーン”と鳴く。
その姿を見て、にーやんの笑顔が深くなる。
あれ?なんか嫌な予感がしてきた。私の背中に汗がつたう。
「なんと!氷の上に“のりの佃煮”と相性の良い、苺のシロップをかけま…」
「にーやん、私は苺のシロップがいいなぁ」
私はにこりと笑い、にーやんの言葉を遮る。
うん、そうだった。にーやんそうだった。
私の注文に残念そうな顔(一般の方はヤラレルッ…と思われる顔)をし、
「分かった、それは僕が食べるよぉ…」
と言いながら、新しく氷をけずり始めた。
私は間違って、スミスペシャル氷を作らないよう見張りを始めた。
読んで頂きありがとうございました!