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36 フェイント

パリィィィン


 まずはありったけの青の魔導石を使ってやる。


ー兵士のレベルが一時的に2上がりますー


■ ■ ■ステータス■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


名前:クラム

性別:男

年齢:43


所有スキル

最強軍団 

スキルレベル:19

CP:24/24

[兵士]

 傭兵 (CP1) Lv10

 狩人 (CP2) Lv7

 盗賊 (CP2) Lv3

 ・ユニークスキル:アイテム優先

 盾騎士(CP5) Lv7


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


 よし。青の魔導石の効果で兵士達が強くなった。


 傭兵のレベルが大台の2桁になってる!


「本当に、やる気なんですか?」


「ああ……見ててよ……」

 もう決めたんだ。

 うまくいくかなんてわからないけど、それで止まっていたらエルレナちゃんの人生は何も変わらない。



 魔導石を無駄にするわけにいかない!

 

 傭兵のレベル10は気になるけど、今は盗賊に任せるって決めたんだ!!


「行け盗賊! アイテムを取って来てくれ!」


「フンッ!」


 素直じゃない奴……

 フンって言いながら全速力でガルギルゴレアムに向かって行った。


 こいつも第一階層にいたゴレアムと基本は一緒で、攻めてくる相手に対して激しく反撃をしてくるタイプみたいだからな。

 部屋に俺がいるだけじゃそこまで過剰に反応はしてこなかった。



 接近していく盗賊に反応してガルギルゴレアムの目がより強く光りだした。


 ただ見てるだけじゃどうしようもないのは当然わかってる!


パリィィィン!


 赤の魔導石でブーストをかける!


「フンッ!!」


 よし。盗賊のスピードがより早くなった!

 さすがうちの兵士一の素早さだ、どんどん距離を詰めていく。



「すごい……」


 ふふ、そうだろエルレナちゃん。

 俺の盗賊はこんなに早くてすごいんだぞ!


 って、言ってる間にガルギルゴレアムが盗賊の目の前に移動してきてる。


 まだ距離はあったはずなのに……なんてスピードなんだ……



ズダァァン!


 ガルギルゴレアムの巨大な剣が地面を深くえぐる。

 巻き込まれた盗賊はあっけなく消滅してしまった。


 こうなることは当然想定済み!

 どんどん盗賊を連続で投入だ!


「フフフフフンッ!!!」


 キザな盗賊もたくさん出現して声が合わさるとちょっと間が抜けた感じがするな……


CP:0/24


 残りのCPを全部使って11体の盗賊を出現させた。

 これだけいればかく乱にもなるだろ。


「目的は一つだ! 行け!」


 俺の意思を受け継いだ盗賊達が一斉にガルギルゴレアムへ向かっていく。




ズダンッ!


ズダァァァン!!




 相手も想像以上に素早い……

 近寄っていく盗賊が次々にやられていく。


 幸いなことに複数攻撃は持ってない見ないみたいだから、どんなにとてつもない威力の攻撃ができたってもともと貧弱な盗賊にはオーバーキルになるだけで大したデメリットはないはず。


 それより残された一体だけでもあいつに近寄れれば……


 残る盗賊は4体。

 巨大な体の間合いの中にさえ入ってしまえば、攻め手は激減するはず。


「ウゥゥゥゥ!!!」

 

 盗賊がいきんでる。

 あんな声はじめて聞いたぞ……残された誰か一人でもいいから目標を達成しようと必死なんだ。

 

 俺の気持ちも伝わってるだろうし、盗賊自体、他の兵士達に取り残されてるって劣等感があるからがむしゃらになってる。



ズダァァァン!!



 ダメだ……


 どんなに頑張ってもガルギルゴレアムの素早さに対応しきれずにやられてしまう……


 残り3体……


「頑張れ! 絶対にやれる!」



「ウゥゥゥゥゥ!」


 一体の盗賊がスッと前に出るのに反応しガルギルゴレアムが即座に動き出す。


 唸りながら前にでた盗賊がすっと身を引き後ろに走り出す。


 フェイント!?

 ガルギルゴレアムは身を引いた盗賊を追う形になりスキができた。


「フンッ!」

 

ズダァァンッ


 攻撃される直前、苦し紛れにキザに一言言い捨てていったけど……あの盗賊、自ら犠牲になって残る盗賊にチャンスを作った……

 こんなことを狙ってできるっていうのか? 俺の兵士が。

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