35 気持ち全開
エルレナちゃんのために俺ができること……
色々探して見つけられなかった、爺さんの形見のコア。
それがある可能性がるところなんて一つしかない。
エルレナちゃんだってわかってるんだろうけど、どうしようもなかったからこうやってこのダンジョンで止まっていたんだ。
「もう一度あのモンスターのところへ行ってくる!」
無理だってわかっていたってやる! それが俺ができる唯一のことなんだ。
「無理です! あの魔導兵器の強さをさっき見たはずです!」
「でもやるんだ!」
あの巨大ゴレアムをなんとかしてエルレナちゃんの本当の笑顔を見せてもらうんだ!
「危険です……ガルギルゴレアムはお爺様の作ったゴレアムをガルギルがさらにバージョンアップさせた魔導兵器の頂点のような存在です。下手したら魔王クラスですら倒せる力を持っている可能性だってあるんですよ!」
魔王クラスか……
昨日今日ようやくスキルをまともに使えるようになった俺が対峙するにはあまりにも荷の重い相手だ。
ギィィィィ……
勢いに任せてガルギルゴレアムのいる部屋の扉を開いちゃったぞ……
もう後に戻ることはできない。
・ 超魔導石 × 1
・ 魔導石(赤) × 3
・ 魔導石(青) × 2
・ 魔導石(黄) × 2
・ 小瓶に入った謎の液体 × 2
今手持ちで持ってるアイテムはこれだ。
こいつをうまく使ってここを切り抜けてやるには……
ポンッ!
「フンッ!」
よかった盗賊が出て来てくれた。こいつが出てくれないと始まらないんだ。
兵士達は俺の分身でもあるはず。
きっと俺の気持ちは伝わっているはずなんだ。
「出てきたってことは、俺の気持ちはわかってるってことだよな? 頼むぞ!」
「……」
返事はしないけど、盗賊からは無理やり出てきた時のような変な焦りは感じない。
俺と同じように静かに投資を燃やしているような雰囲気だ。
ブゥゥゥゥゥゥン…………
ガルギルゴレアムの目が赤く光った。
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