3 強くなる気がしてきたぞ!
レベルアップ? 一気に5も……?
こんな異常な上がり方当然スライムを倒したからじゃない。今の宝石を持ったまま倒したからなのか?
初めてモンスターを倒したと思ったらいきなりレベルが5も上がるなんて……信じられない。
ー新兵士『狩人』が使えるようになりましたー
また頭の中から声が聞こえてきた。
狩人……? 新しい兵士ってことは傭兵とは違う能力を持っているってことだよな。
せっかくだ自分のステータスを見てみるか。
■ ■ ■ステータス■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
名前:クラム
性別:男
年齢:43
所有スキル
最強軍団
スキルレベル:6
CP:6/6
[兵士]
傭兵(CP1) Lv1
狩人(CP2) Lv1
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
こりゃすげえ……CPがついに1じゃなくなったってことは、それぞれの兵士のコストに見合った数が出せるようになったってことだよな。
狩人の能力も気になるな、使用CPが傭兵の2倍あるし早く能力を試してみたい。
スキルレベルが上がっても、兵士のレベルが連動して上がる訳じゃないんだな。
傭兵の強さは今まで通りのままか、うーん……それじゃ言うほど強くはないかも……
うーん、我慢できない……狩人を使ってみるとしよう!
ポンッ
「タアッ!」
おお! でたでた、大きさはまた俺の身長の半分くらいのミニチュアサイズで弓を装備した兵士だ。
こいつが狩人。
傭兵は鎧を着てたけど、狩人は普通に服を着てる。防御はあまり期待出来なそうだ。
持ってる武器が弓だし、後衛専門の兵士ってところかな。
「タアッ!」
勇ましい掛声とともに狩人もうろちょろと動き始めた。
なんかこの流れ、傭兵でもあったような……
傭兵よりも素早くないから動きを目でしっかり追うことができる、狩人もモンスターを探してるみたいだ。
戦いの役割は傭兵と違うのかもしれないけど、基本的にやることは一緒なのね……
まあ問題ない、モンスターと戦って狩人の強さを見てみたいと思ってたところだ。
いた!
ちょうどいい、またスライムだ!
これなら傭兵との違いもわかりやすい。
見せてくれ狩人、お前の強さを!
スライムはまだ狩人のことに気付いてない、距離も10歩分くらいは離れている。後衛らしくこの位置からうまくバシッと倒して見せてくれよ!
「タアッ!!」
一番の掛声を出してから狩人はスライムに向け弓を放った。
プス……
命中した。でも……
また言うほどのダメージはなさそうだぞ……
それどころか今のでスライムに気付かれた。
狩人に向かってくる……その間にも弓を何発が撃ち命中するが致命傷になるほどのダメージは与えられてない……
ボシュゥゥ……
結局スライムの体当たりを受け、一撃で傭兵はやられてしまった……
なんだよ、全然強くないじゃないか、こんなことなら傭兵の方がまだ……
CP:4/6
CPはまだ余裕がある、めいいっぱい傭兵を出してスライムに向かわしてやる!
ポポポポンッ!
「「「「ウオーーーー!!!!」」」」
一気に4体の傭兵を出現させた。
「行け! 一斉にスライムを倒せ!」
これなら多少は善戦できるだろ。
ボコボコボコ!
スライムを取り囲んで四方から傭兵が攻め立てていく。
おお、なんかすごい。一体だけの時とは結構違うな。
パァァァァァン
あっという間にスライムを倒してしまった。
戦闘を終え、4体の傭兵も役目を終え消えていく。
数が増えるだけでこんなに違うものなのか……
相手が最弱のスライムって言うのもあったけど、それでも大きな発見だ。
光が見えてきたぞ!
まずはもっとモンスターを倒してスキルレベルをアップだ!
スキルレベルが1上がるごとにCPも1上がっていくみたいだから、その都度使える傭兵が1体増えていく。
この1体の差って結構大きい。CPが高くなっていけばもっと強いモンスターにも勝負が挑めるかもしれない。
さすがにこのダンジョンにいるのがスライムだけってことはないだろうからな……
急に強いやつと戦うことのないように様子を見ながらダンジョンを探索していくとしよう。
どこかでさっきのスキルレベルを上げる宝石を見つけられるならラッキーだし。
そんなことを考えていると奥の方からまたモンスターが歩いてきた。
あれはダンジョンバット、飛行系だから倒し辛いけど強さで言ったらスライムとさほど変わらないモンスターだ。
早速倒しに行きたいところだけど、さっきの戦いでCPを使い果たしてしまった……
回復するまでこのまま見つからないように身を隠して様子を伺っていよう。
CPは一定の時間をおくと1ずつ回復していく。
戦闘中に0になってしまった場合でも時間さえ稼げれば、ちょっとずつ回復することはできる。
CPが1しかない時はすぐに回復したけど、6まで増えた今、さすがに前ほどすぐに回復しない……
低ランクモンスターとはいえ丸腰で見つかるのは困る、命の危険にもつながる事態だ。
様子を見てるうちにCPが4まで回復した。
また傭兵を一気に出すか?
待てよ……傭兵って身長俺の半分くらいしかないんだよな、飛行系のモンスターに攻撃届かなかったら意味ないぞ。
ここは狩人を使ってみるのも手だよな。
飛行系のモンスターとは相性いいだろうし……
まずは様子見で傭兵を1体出してみるか。
ポンッ
「ウオーッ」と叫びながら傭兵はダンジョンバットを早速発見し向かって行った。
ブンッ
ブンッ
やっぱりだ……攻撃が届かない、こりゃだめだ……
ポンッ
「タアッ!」
こんな時こそ狩人だ。
プス! プス!
狩人の弓がダンジョンバットに刺さっていく。
「キィィィィ!」
あっ、怒った。
弓を受け、ダンジョンバットは狩人に向かってきた。
ここで狩人がやられたら困る!
ポンッ
もう1体傭兵を出して狩人の壁に使う。
「ウオー!」
狩人を攻撃するため、高度が低くなったダンジョンバットに向け、今出した傭兵の剣が当たる。
よし、狙い通り!
さらにそこに狩人の追撃も入る。
ドサ……
ダンジョンバットが力尽きた。
そうか、狩人を守りながら傭兵で攻撃すればよりダメージが与えられるんだ。
『最高軍団』スキルのことわかってきたぞ!
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