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27 一緒にいたら気にくらいはなってくる

「なるほど……モンスターを倒すとレアアイテムを落とすことがあるんですね」


「えっ……知らなかったの?」


 考えてみたらエルレナちゃんは冒険者じゃないんだもんな、冒険者ギルドにとっての常識はエルレナちゃんに取って非常識だったりすることもあるんだよな。

 ちょっと強めのモンスターを倒さずにいたのはそういうことだったのか。


「そうなんですね……もう一年以上いるはずなのにそんなことも知らなかったなんて……もっとダンジョンやモンスターのことを勉強してくるべきでした」


 そっかエルレナちゃんはここでそんな長いこと過ごしてるんだもんな。

 このダンジョンのこと詳しくなる訳だよ……


「ずっと一人でこのダンジョンに潜ってたの?」


 仲間とかいなかったのかな?


「はい……こんなこと誰かと一緒にやる訳にも行かなかったので」


「エルレナちゃん、一体ここに何を?」


 一年以上もこんな場所に若い女の子が閉じこもる理由ってなんなんだ?

 

「お、俺で手伝えるようなら手伝うんだけど……」


 下心とかじゃないぞ!

 いくらエルレナちゃんがかわいいからと言って一緒に痛いから言ってるとかって訳じゃない! 断じてそんなことはない!!


「フフ……ありがとうございます」


 あぁ〜この笑顔かわいいなぁ……

 こんな子と一緒に行動できてるなんて奇跡みたいだ……


 ハッ!


 違う違う、下心じゃないんだ!

 これは手伝い、こんなかわいくて若い子が俺みたいな鈍臭いおっさんのこと相手にくれているだけでもありがたいと思わなきゃいけないんだ……


「クラムさんは本当にいい人ですね、はじめに見た時からきっとやさしい人なんだろうとは思ったんですけど」


 アレ……まさか、俺……脈があるんじゃ……


「いや……そんなこと言われるのはじめてだからなんて言っていいかわかんないな」


「スキルもちょっと鍛えるだけでものすごく成長する良スキルですし、きっと外の世界では偉大な方なんでしょうね」


「いやぁ……ハハハ……」


 言えない……ギルドを追放されてこのダンジョンに捨てられたなんて……


 エルレナちゃんが俺の手をギュッと握ってきた。



「クラムさん……もしよかったら付き合ってもらえませんか?」

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