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22 勝手な行動

 次の日。

 と言っても太陽も月も見えないダンジョンの中では適度に休みを取った後という言い方が正解かもしれないけど、またエルレナちゃんとの修行が始まった。


 ズバァァァッ!


 レベル5になった傭兵の攻撃でロボのボディにキズがつく。

 さらにダメージを受けゴロゴロと転がり倒れ込んだ。


「すごぉーーい! 立派な剣と鎧になってますし、一気に成長したみたいですね!」


「レベル5で大きい成長があるみたいだ」


「スキルレベルは5レベル刻みで追加されるんでしたよね? 兵士も同じように成長していくと思います!」


「たぶんね。よし! この調子でどんどん修行だ!」

 

 狩人も盾騎士も強くなってくれればこの先も楽になるはず。


「はい! 私も張り切って手伝います!」



 兵士のレベルがあがるごとに、エルレナちゃんは少しずつロボのパワーを上げていってるみたいだ。

 それこそギリギリ倒せるくらいの調整をしてレベルが一番上がりやすいようにしてくれているんだと思う。


 俺のためってのもあるんだろうけど、何よりロボの調整しているときの目がイキイキしててすごく楽しそうだ。

 傭兵に倒された時の喜びようも再調整のやりがいからきてるのかもしれない。根っからの機械っ子なんだなぁ。





 エルレナちゃんの修行用ロボのおかげで俺の兵士達はどんどん強くなってきた。



■ ■ ■ステータス■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


名前:クラム

性別:男

年齢:43


所有スキル

最強軍団 

スキルレベル:16

CP:21/21

[兵士]

 傭兵 (CP1) Lv8

 狩人 (CP2) Lv5

 盗賊 (CP2) Lv1

 ・ユニークスキル:アイテム優先

 盾騎士(CP5) Lv5


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■



 どうだ! この見違えるほどの強さ!

 傭兵のレベルが頭ひとつ抜けてるのは一番シンプルな能力で調整しやすかったのが大きいのかな。


 レベル5を迎えて、狩人の弓は先端がするどく、弓自体もしっかりとした作りにかわった。

 盾騎士も盾が一回り大きく変な模様が加わって、豪華さがアップした。


 成長が見た目にも表れてる感じが見てて嬉しくなる。



「みんな強くなってきたんでこれ以上鍛えるためにはちょっとした調整じゃ足りなそうです」


「へぇ……そっか、そこまで成長してたんだ」


 ロボに適当にあしらわれてるように見えてたけど、これ以上望むのは申し訳ないな。


「スキルレベルみたいに宝石があればいいのになぁ」


 兵士レベル用の宝石もありそうなもんだけど……


「えっ? クラムさんその宝石って……どこで見つけたんですか?」


「どこって、第一階層でだけど……」


「もしかして、盗賊くんの力ですか?」


「そうそう、便利なようで勝手にあちこち行っちゃうから難しいところはあるんだけど」


 今回の修行で盗賊だけ成長させてやれてないんだよな。


「みつかったのはどんな宝石だったんですか?」


 エルレナちゃんが身を乗り出してきた。

 変わったところに興味を持つんだな……なんでだろ?


「色々見つけてくれたんだけど、七色に輝く宝石と……」


「えええぇぇ!! ウソ!? それって超魔導石ですよ、ものすごいレアアイテムです!」


「そうなの? はじめにモンスターに襲われて転んだ時に手に掴んでたのもそれだったような……」


「えぇぇ……そんな道端に転がっているようなものじゃないです、第一階層はくまなく探したはずだったのに、まだそんなものがあったなんて……」


 あの七色の宝石、そんなに価値ある物だったんだ。

 まぁ、確かに一気にスキルレベルを5もあげるってなかなかすごいことだよな、もっと大切にするべきだったかな。


 あとはゴレアムが守ってたやつだけど……

 またゴレアムの話をだすと、暗くなっちゃいそうで怖いな。


「盗賊くんも超魔導石を見つけたっていってたんで第一階層にまだ2つもあったんですね……」


「他に探してきてくれたのはその魔導石ってのの赤と青の2種類、CPの回復する小瓶と薬草あたりか」


「赤色と青色のものはおそらく一般的な魔導石ですね、一時的に能力が上がったんじゃないですか?」


「そうだった。じゃあやっぱりあの宝石が魔導石か」


「魔導石も中々のレアアイテムなんですよ、きっと小瓶も薬草もすごい能力を持ってたんだと思います」


「まぁ確かに……」


 盗賊が持ってきたくれたアイテムはどれを欠いても、ここまで来れなかったってくらい、いいアイテムばかりだった。


「もしかして、盗賊くんなら本当に……」


「えっ? エルレナちゃんなにか?」


「い、いえ……なんでもないんです……独り言なんで気にしないでください」


 盗賊ならって言ったよな?

 第一階層もくまなく探したって言ってた。このダンジョンに何か探しに来てるんだ。


 よし!


「俺に協力できることならいってくれよ! 兵士を強くさせてくれたお礼に俺も手伝うからさ!」


 そうすれば、もしかしたれエルレナちゃんともっと仲良くなって……もしかしたら、もしかするかもしれないしな……!




 でも、盗賊か……


 何か探すにしても盗賊だけ成長してないままなんだよな……


 第二階層に来てすぐみたいに探索に出してもすぐやられるのがオチだよな……



 う〜ん……


 このまま盗賊が役に立つんだろうか……




 んっ?

 なんか体が……くすぐったいような、変な感じに。


ポンッ!


「フンッ!!」


 えっ!?



「あっ! 盗賊くん!」


「俺は、出した覚えはない……急に体がむず痒くなって勝手に……」


 こんなことがあるのか?



 盗賊が俺の意思とは関係なく、勝手に出てきた。

ここまでお読みいただきありがとうございます!


創作を続けるのには皆様のご意見がなによりも励みになります。

今後の展開が気になってようであれば下の☆へのチェックやブクマをいただけると幸いです。


レビューなどいただけるようならもう天にも登るほどの励みになります。

是非是非よろしくお願いいたします。

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