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15 やぶれかぶれ

 冒険者の目付きが変わった。


 異変を嗅ぎ取ったハイオークはすぐに立ち上がりメイスを構え直す。



 ゲートまで来る間に側近のオークに奇襲をかけさせた。

 オークは簡単な命令しか覚えられないため、ハイオークが伝えたのは「攻めれない時はフォローに回れ」ということだけだった。


 直情的はオークが盾騎士に抑えらつつも、1体倒すことができたのはそのためだった。




 単独でなす術なくやられたオーク、今回の奇襲を仕掛けた二匹のオーク。

 冒険者の戦い方を見るに、戦力はこれで限界と判断しても問題はないはず。


 万が一に備えて構えはしたものの、恐れるほどの相手ではない。




「後がなくなった冒険者達は何をしてくるかわからない、痛ぶろうなどと考えずに一気に殺しておう!」



「やる! 俺が、こいつ、コロス!」


「俺だ! 俺がコロス!」



 オーク達の殺気溢れる応答にハイオークは一先ず安心をした。











 小手先の攻撃じゃオーク達には通じない。

 このダンジョンを出るか、死ぬか……



 俺のいたギルド(ゴッティ)ではもう俺は死んだことにされてるんだろうな。


 それなら最後の最後くらい、悪あがきしてやるぞ!




 まずは小瓶をゴクリと飲み干す。


CP:20/20


 傭兵が全てやられてしまってたから全回復した!



ポポポポポポポポポンッ!!


「「「「「「ウウウウオオオオオオオオオォォォ!!」」」」」」




 ありったけの傭兵で勝負だ!

 俺の出せる最大の傭兵20体を全部出す!


 これでダメなら俺は終わりだ。



「今まで通りでいい! お前ら本気を出していけよ!」


「「「「ウウウウオオオオォォォォォォ!!!」」」」


 20もの大群が一斉に大声で返事をすると、もはや騒音でしかない。


 でも今はこの一途さが気持ちいい。



 あとはこれもだ。


パリィィ、パリィィィィィン




ー兵士のレベルが一時的に上がりますー


ー兵士のレベルが一時的に上がりますー



 青い宝石を2つ割った。


 予想通り2回レベルが上がった案内が聞こえてきた。



■ ■ ■ステータス■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


名前:クラム

性別:男

年齢:43


所有スキル

最強軍団 

スキルレベル:15

CP:20/20

[兵士]

 傭兵 (CP1) Lv5

 狩人 (CP2) Lv4

 盗賊 (CP2) Lv4

 ・ユニークスキル:アイテム優先

 盾騎士(CP5) Lv4


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■



 1しか上がらない兵士のレベルが2つ宝石を割ることで2アップしてる。


 傭兵はこれで5までレベルが上がった。さっきよりはもうちょっとマシになったはず。



ドゥゥゥゥゥゥゥン



 なんだ?


 傭兵達に白いオーラが漂ってる。


 傭兵の持っているおもちゃのような安っぽい剣が、立派なちゃんとした剣に変化した。

 身につけた鎧も鉄の鎧にバージョンアップしているみたいだ。


 見た目だけなら結構強くなったように見えるぞ、顔もなんだか凛々しくなったように感じる。


 スキルレベルと同じように兵士レベルも5になると変化が起こるみたいだ。



「「「ウォォォォォォォ!!!」」」


 掛け声は大して変わらないな……

 まだうるさいくらい元気だ。



 20のパワーアップした傭兵がオークを取り囲む。


「フ……フゴォ……」


 オークが驚きで呆気に取られてるみたいだな。



 ズバッ! ズダダダダダダダダダダァァァァン!!



 一斉に傭兵が斬りかかり、オークは一瞬で肉片と化した。



 強い! 攻撃の雰囲気も、もう子供の喧嘩じゃなくなった。


 レベルが上がることで一丁前に強そうな雰囲気を出すようになりやがって……



「フゴッ!」


 一匹がやられたのを見てオークがすかさず、傭兵に斬り込んできた。



ボシュゥゥゥ……



 オークの攻撃を受けてこっちも傭兵が1体消滅した。


 1体くらいなんてことない!


 

「そのまま次だ! まだこんなもんじゃないところを見せてやるんだ!」

 


 オークは倒せる! この勢いでハイオークも。



 ハイオークの奴も予想外だったろ!

 宝石の力で傭兵がこんなにパワーアップするなんてな!



ズババババァァァァン!


 もう一匹のオークも傭兵達が瞬殺した。


 いいぞいいぞ! この調子で残るは一匹だ。



 余韻に浸ることもなく、傭兵達がハイオークへ向かっていく。

 




ボオッ………



 ハイオークがメイスを振り上げるとメイスについた水晶に炎がまとわりつき出した。



「フゥゥゥゥゥゥゥゥ!」



 ブォンと豪快にメイスを振ると、炎だけがメイスから離れて傭兵達へ向かってくる。



 これは盾騎士に使った魔法か……?



「お前ら躱せ! 直撃したらマズいぞ!」


 


 あたりがまた明るく照らされた。


 ああぁ……安直に突っ込んでいくだけの傭兵に俺の言葉なんて意味ない……



 全員やられてないよな……



「「「ウォォォォ!!」」」



 残ってる傭兵がいるみたいだ。



 声は明らかに少なくなってる……



 炎の中から消滅してない傭兵が飛び出てきた。




 残ってるのは1、2、3、4、5……


 これだけ? たったの5体??

 今の炎で10体以上やられたのかよ……



 ハイオークはすでに新たな炎を作り出してる。



 この傭兵達は偶然直撃を避けられただけだ……

 まともにくらったら……というか、次を受けたら間違いなく傭兵は全滅……



 それってイコール俺の死を意味してる。



 これって絶体絶命って奴なんじゃないか……?

ここまでお読みいただきありがとうございます。


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