表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/41

11 鉄壁の兵士

 こちらに向かってきているオークも臨戦態勢のようだ。


 戦斧を両手にもち振りかぶってきた。



「ヌウ!」


 盾騎士も準備は万端だ。


 迫りくる戦斧を大楯が迎え撃つ。



ガキィィィィィン



 金属同士の激しくぶつかり合う音がダンジョンに響いた。



「フゴッ!?」


 オークが真っ先に声をあげた。

 戦斧がはじかれたことに驚いているみたいだ。



 盾騎士は戦斧を防いだ後も追撃に備え構え続けている。


「よし、いいぞ!」



 大楯自体も裏面からは傷は見当たらない。


 オークの攻撃くらいなら真っ向から受けても大丈夫そうだ。



ポポポポポンッ


「「「「タタタタタアッ!」」」」


 大楯の背後から狩人に攻めさせれば、安全に攻めれるはずだ。



 狩人は盾騎士の脇から弓でオークを攻撃し始めた。


プスプスプス


「フゴォォォ!」


 弓が刺さりオークは興奮し顔が真っ赤になった。


 怒ってる……


 その矛先は狩人に向かってるようだ。



 盾騎士を無視し、オークは狩人に向かっていく。



ブオン!


 戦斧をなぎ払い、1体の狩人があっさり消滅する。



「ちょっ、狩人がっ!」


 盾騎士は狩人がやられたにも関わらず、見てみぬふりをしている。

 ただオークがちょっと俺に近寄ったのを受けて俺に近寄らせないように間に入りまた盾を構えだした。


「おいおい、狩人も仲間なんだ、ちゃんと守ってやってくれ!」



 こんなんじゃ守れても、攻めれない……

 守ってるだけじゃ勝てないんだぞ!


「ムウ……」


 盾騎士は不満そう……というか困ったように声を上げた。



 もしかしてはじめに俺を守るように命令を出したから狩人のことは守れないってことか。

 そうするとここで狩人を守るように命令を変えれば。

 いや、そんなことして俺が狙われたら厳しい……



 仕方ないか……


ポンッ


「ムウ」


 もう1体盾騎士を出現させた。


「狩人を守ってくれ、頼むぞ!」


「ムウ!」



 新しく出てきた盾騎士は快く返事をし、狩人の前に移動した。



CP:5/20


 残りのCPは5か……

 コストの大きい兵士は1体出すだけでバカにならないな……



「フゴォ」


 狩人を守る盾騎士に阻まれオークは思うように進めず苛立っていた。


プスプスプスプス


 さらにそこに弓の追撃も加わっていく。


 弓の攻撃ダメージは大して高くはないんだろうけど、チクチクと蓄積されてはいるはず。



「フゴォォォォォォ!」


 盾騎士の手厚い守りを崩せずオークは怒り悶え地団駄を踏み出した。


 まあイライラはするだろうな。



 攻めれずに、ちょっとずつやられていくってのはいい気分じゃないはずだ……

 でも悪いが、ここはきっちり討伐させてもらう。



「フゴッ! フゴォォォ!」

 

 何かを盾騎士に言い捨てオークは背を向けて狩人に近くのをやめ、帰ろうとし始めた。


 攻めきれないから諦めたんだ……

 きっとオーク達の言葉で盾騎士に向けて文句でも言ったんだろうな。



 悪いな、俺もここで生きていくことに必死なんだ。

 もう1体盾騎士を出現させる。


ポンッ!


「ヌウ」


 3体目の盾騎士だ。


「オークを逃すな、大楯で進行方向を抑えてくれ!」


「ヌウ!」


 3体目の盾騎士はこの命令を快諾した。

 こんな内容でも受けてくれるんだな、使い方を考えていけば結構役に立つぞ、この兵士も。



ノソノソ……


 あれ?


 ブツブツと文句を言いながら刺さった弓を抜き帰っていくオークを抑えようと盾騎士が追いかけるが追いつかない。


 一緒に護衛してもらって進んでいる時は俺も盾騎士に合わせてたから気づかなかったけど、盾騎士の足って、めちゃくちゃ遅いんじゃ……



 足の遅さだけはどうしようもない、オークとの距離はどんどん離れていってしまった……


 倒せなかったか。

 経験値が欲しかったな。


 ギルドの討伐だったら、オークの戦斧はいい値段で売れたのになぁ……


 ここであんなでかいもの持ってても邪魔になるから必要ないけど。



 とりあえず、盾騎士の能力は理解できた。


 大楯で抑えて、遠距離からチクチク作戦でゴレアムみたいな突き抜けてる相手は無理だとしてもそこそこのモンスターは倒せるはず!


 俺はより強い力を身につけることができたぞ。


 これでダンジョンから脱出できる可能性がさらに高くなった、見てろよ、俺は絶対にここを出てやるからな!


 この兵士達をスキル名通りの『最強軍団』にして俺は地上に舞い戻る!





ー現在の状況ー


■ ■ ■ステータス■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


名前:クラム

性別:男

年齢:43


所有スキル

最強軍団 

スキルレベル:15

CP:20/20

[兵士]

 傭兵 (CP1) Lv2

 狩人 (CP2) Lv1

 盗賊 (CP2) Lv1

 ・ユニークスキル:アイテム優先

 盾騎士(CP5) Lv1


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■



所持アイテム


・ 宝石(赤) × 1

・ 宝石(青) × 3

・ 小瓶に入った謎の液体 × 1

・ 薬草  × 10


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ