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10 守護の兵士

 七色の宝石をまた手に入れた。


 これでまた強くなれるぞ!



 咄嗟の時に使ってばっかりだったけど、これっていつでも使えるのかな?


 正しい使い方ってどうするんだろ。



 グッと握りしても見た目通りの硬い宝石なだけだ。


 前に使ったときはこの宝石を持ってスライムを殴ったんだよな。

 そしたら宝石が割れて……



 ってことは、割ってみたらいいのかな。



 柔らかいスライムを叩いただけで割れたんだ、たぶん物理的な硬さとは違う要素で割れてる。



 岩で出来たダンジョンだ、硬いものなんて探すまでもない。



カチッ


 地面に転がる岩に宝石を叩きつけた。




パキィィィィ



 やっぱりだ。

 この宝石は手に持ってちょっと刺激を与えたら壊れるように作られてる。



パァァァァァァ…………



 ひび割れた宝石から光が溢れ俺を包み込んだ。



 そうそう、これだ!


 前もこんな感じだった。




ースキルレベルが5上がりましたー



 やったぁぁぁ!

 また一気に5もスキルレベルが上がったぞ。この宝石、今のスキルレベルを問答無用に5あげてくれるアイテムだったんだ。





 これでスキルレベルは15になった。ってことは……


ー新兵士『盾騎士』が使えるようになりましたー


 よしよし! 

 いいぞ、また新しい兵士も使えるようになった。




■ ■ ■ステータス■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


名前:クラム

性別:男

年齢:43


所有スキル

最強軍団 

スキルレベル:15

CP:20/20

[兵士]

 傭兵 (CP1) Lv2

 狩人 (CP2) Lv1

 盗賊 (CP2) Lv1

 ・ユニークスキル:アイテム優先

 盾騎士(CP5) Lv1


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■



 ほほぉ……新しい兵士が追加されるとステータスが華やかに感じるな。


 CP5って……

 ずいぶんとコストが高いな……


 名前的に防御専門って感じの兵士だよな。


 ここで試しても守り専門じゃ効果もわからないし……

 どっかでモンスターを見つけたら使ってみよう。



 もう小道に入るのはゴメンだ、ゴレアムは現状じゃどうやったって倒せない……


 みすみす死にに向かうなんてバカな奴のすることだ!

 気分を入れ替えてダンジョンの先へ進もう。



 




 ううううぅ…………



 ダメだ、やっぱり新しい兵士を使わないでいるなんて我慢できない。


 意味ないけど、ここで使ってみよう!


 見た目だけのチェックだっていい、CPなんてそのうち回復するんだからな。



ポンッ!


「ヌウ!」


 守りの兵士ってだけあって声は今までの兵士よりも重厚な感じだ。


 自分の体よりもでかい丸い盾を手前に構えて出現した時点から準備万端な雰囲気が漂ってる。

 顔立ちも他の兵士よりもキリッとして男前だ。


 こいつが『盾騎士』。


 盾は頑丈で重そうな金属っぽい作りをしてるけど、身に纏っているのは傭兵とたいして変わらないレザーアーマーといった感じだ。


 まあ名前の通りこの盾を使って俺や兵士のことを守ってくれるのかな。



「ヌウ……」


 ん……?


 盾騎士が俺に顔を向けなんか言ってきた。



「ヌウ……」


 まただ……

 「ぬう」って言われてもなぁ……


 兵士の方から俺に何か要求してくることなんてはじめてだから伝えたいことが全然わからないぞ……



「ヌウ……」


 弱ったなぁ。


 盾騎士も一生懸命俺に訴えかけているんだろうけど……


 盾騎士って言うくらいだから誰を守るかを聞いてるってことかな。


「俺を守ってもらえるか?」


 こういうことだよな? 多分……


「ヌウ!」


 盾騎士がキリッと顔を引き締めキメ顔を作り、俺の前に立ち盾を構えた。


 通じた! やっぱり命令をして欲しかったんだな。

 コストの高い兵士になると、意志の疎通も可能になるのか。


 盾騎士の方からは「ヌウ」としか言えないみたいだけど、命令は聞いてくれそうだ。

 あとの問題はこいつの実力だ。


 これだけでかい盾を持っているんだ、ハリボテってことはないだろうけど……



 まあいい、このあたりにモンスターはいないからこのまま進んでみるか。




 盾騎士は俺から1歩半くらい前で大楯を構えて進んでいく。

 ちょっと前が見えづらいけど一生懸命やってくれてるし文句は言えないよな……


 チラチラと俺との距離が離れてないかを確認するため振り向き慎重に行動している。


 今までの兵士とは違うなぁ。

 なんか生真面目というか、俺にいいところを見せようっていう気概を感じる。


 兵士達ってそれぞれ役割があって、微妙にそれぞれに性格が違ったりで面白いな。

 盾騎士は守り専門だろうし、傭兵とかと比べると役割的にもしっかりしてるんだろう。





 盾騎士の足が止まった。


 どうした? 俺は何も指示を出してないぞ。




「ヌウ」


 掛け声と共に大楯をどしりと前に突き出し、守りの姿勢に入り出した。


 モンスターか?


 大楯が邪魔であまり前が見えてなかった……



 身をずらして前を見てみると、一匹のモンスターらしきものがこちらに向かってきてる。



 オークかな……?


 二足歩行の猪の顔をした巨大な戦斧を持つモンスターだ。

 実力はマザーゴブリンと同じ程度だったはず。


 また新しいモンスターとのご対面か……


 ちょうどいい、盾騎士の強さをここでしっかりと確認させてもらうとしよう。


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