●第61話~世界の真実②~
「せっ…。世界の存亡って…。そんな大袈裟な。」
「それがですね…。大袈裟と言うわけでも無いのですよ…。本当に…。」
セレシアはため息をついた。
「…。理由は何ですか?」
「貴方達が『侵略者』と呼んでいる物に関わりがあります。」
セレシアは一呼吸置くと言葉を続けた。
「あれは異世界人の負の心その物なのです。」
「負の心?」
ミラージュはゴクリと息を飲んだ。
「ええ。怒りや憎しみ…。嫉妬とかね…。だからアレは生きとし生けるものに襲い掛かります。」
「なるほど…。で、それと世界の存亡に何の関係があるの?」
「貴方達が倒したあの獣達は『大罪の獣』と呼ばれる者達でその獣達が現れるのは『負の心』が世界の処理能力を超えた証拠であり、世界が崩壊する前兆です。つまりこの世界の寿命は…。後、僅かと言う事なのです。」
セレシアは寂しそうな顔をしていた。
「本来、そんなことは起きてはならないし、起きないはずなんですけれどね…。」
「どうしてですか?」
「その『負の心』、『世界の澱』とも言えるそれは - 本来、自分の世界で処理すべき物で処理能力を超えて溜まるなど普通は無いからです。」
つまりコストと手間を厭ってするべき仕事を怠った異世界の神が、この世界の主神が不在である事を良いことにこの世界に捨てた『負の心』、それが『侵略者』と呼ばれる者の正体である。
「つまり私に主神になれって言ったのも、世界の存亡に関わるって言ったのも…。」
「はい。つまり私の代わりにこの世界をそんな事するお馬鹿さんな神達から護って欲しいからです。」
セレシアはニッコリ笑った。
「まぁ、大罪の獣が出て来たとしても、それを倒しさえすればある程度は余裕も出来ます。それに寿命が僅かと言ってもそれはあくまでも神の目線での話ですので、今すぐ主神にならなくても大丈夫ですよ。」
「そもそもこの話は神となる最後の条件である死ぬ事を満たした後…。つまりは貴方の死後にとの話です。出来る限り先に事情を説明しておく事で、後の引き継ぎをスムーズにする為に先んじてここに呼ばせて頂きました。ミラージュさん…。主神就任の話、どうか引き受けてもらえないでしょうか?」
「…。分かりました。寿命を迎えた後に…。との話なのなら引き受けてもかまいませんよ。」
- まぁ一生を終えた後でと言う話なら、面倒だけど引き受けてもいいかな?
「ミラージュさん!!ありがとうございます!」
セレシアは嬉しそうに笑った。
- これがミラージュが『世界樹の元に呼ばれた時の話』であり、元主神であるセレシアが語った『侵略者』の真実である。
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