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転生したら魔王のペットだった件  作者: 西音寺 秋
第1章~ペット生活始まりました~
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● 第4話 ~ 魔王と勇者 ~

ここは魔王城の訓練所…。


何故かリル様と黒髪で金色の鎧、銀色の剣を手にした14~15歳位の少年が激しいバトルを繰り広げている。


少年の名はアルベル…。勇者である。


一体何故こんな事になったのだろう…。

それは数時間前に遡る。





~ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ~




「おーいリル!遊び(ケンカ)にきたぜー!」


バン!


と乱暴にに執務室の扉を開けたのがアルベルだった。


「!!だっ誰ですか!人を呼びますよ!」


ミラージュは尻尾の毛を逆立てた。


「よい。ミラちゃん其奴はアルベル。妾の幼なじみで勇者じゃ。」


「そうだよ。」


「ついでに言うとエルトリアの第一王子じゃ。」


リルはため息をついた。


「だ…。第一王子ですか?」


「そうじゃ。ついでに()許嫁じゃ。」


リルは嫌そうな顔で答えた。


「えぇー!」


ミラージュは思わずリルとアルベルを交互に見てしまった。


「兄上と父上が戦死して妾が王位を継ぐ事になり無かった事になったのじゃ。」


「そうなんだよねー。」


アルベルは苦笑していた。


「そうでしたか。」


ミラージュも苦笑していた。


「それはさておきアルベル…。これだけは言わせてもらうのじゃ…。さっさと帰れ馬鹿者(アルベル)!」


「ヤダ!」


アルベルは笑顔で答えた。


「帰れ!仕事があるからお前をかまう暇などない!終わらぬとミラちゃんをモフらせてもらえぬのじゃ!」


リルはいかにも興味が無いと言わんばかりに書類に目を通し始めた。


「もしかして負けるのが怖いの?」


「ん~?」


「魔王ともあろう御方が勝負から逃げるなんてね~。」


アルベルは更に笑みを深めた。




…。あぁ、アルベル(コイツ)、リル様を煽ってやがる。

しかもリル様も頭に血がのぼりはじめてる。


コレはマズイ。


「あーリル様…。」


「ミラちゃん。今日の予定はどうなっている?」


リルは引ひきつった笑みをを浮かべていた。


「え~っと。書類(ソレ)が終わったら後はフリーですね。」


「ありがとう。ミラちゃん。五分で終わらせる。待っておるがよいアルベル。」


リルは結構な早さで書類に目を通し始めた。




そして宣言通り五分後…。




「ミラちゃん、目は通し終えた。レインに明日相談があるからここに来るように伝えておくのじゃ。」


「はい。」


「では、妾はアルベルと訓練所に行ってくるのじゃ。」





~ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ~




と、こんな感じて今に至ります。



あぁ…。訓練所がどんどん壊れていく。


大火球(ファイアーボール)大雷球(サンダーボール)の魔法が飛び交い壁が焦げ、暫撃であちこち傷ができてる。


そしてとうとう…。穴が開いた。


それだけならまだ…。まだいい。だって…。


だって…。訓練所が吹き飛んだ。


どうするんだよコレ…。しかも二人ともまだやり合ってるし…。


どうしたらいいの?ほっておいたら城まで壊れちゃいそうだしとにかく止めるしかない。


「リル様!アルベル様!そこまでです!」


ミラージュが止めに入ろうとしたとき、

リルが放った大火球がミラージュに直撃し吹っ飛ばされてしまった。


「大丈夫か!ミラちゃん!!」


「わぁっ!ミラージュちゃん!えーっと回復(ヒール)を…。」


リルとアルベルは焦っていた。


しかし、倒れていたミラージュは何事も無かったかのようにユラリと立ち上がった。


「よかったーミラちゃん平気か?」


「ごめんねミラージュちゃん。大丈夫?」


アルベルとリルはミラージュに駆け寄った。


「…。じゃない…。」


「「え?」」


「平気な訳がないだろっ!!てか二人共そこに直れっ!」


「「はいいっ!!」」


リルとアルベルはミラージュのあまりの剣幕に思わず固まってしまった。


「リル様、アルベル様!!じゃれあいで訓練所を破壊するとは何事ですか!」


「あの…。そのっ…。」


リルは目を泳がせていた。


「すみません。」


アルベルはバツが悪そうに頭を掻いていた。


「直すのだってタダではありません。国民の血税が使われる事になるのです!そこの所考えてください!」


「「はい!以後気をつけます!」」


アルベルとリルの声が揃った。


「まぁ、いいでしょう。」


と言うミラージュの言葉に安堵した二人だったが次の言葉で二人の顔は青ざめる事となる。


「罰としてリル様は一週間私をモフるのを禁止とします。」


「そ、そんな~。嫌じゃ~!」


リルは涙目になっていた。


「そしてアルベル様にはここの修繕費の半額を請求させてもらう事とします。勿論アルベル様の御父上にこの事を手紙で知らせます。」


「うゎ…。」


アルベルは顔をしかめていた。


「これに懲りたらじゃれるのも程々にしてくださいね。」


そう言ってミラージュは城の中へと入っていった。



一方残されたアルベルとリルは…。



「リル…。」


「何じゃアルベル。」


「あの子…。ミラージュちゃんって俺達よりしっかりしてないか?」


アルベルはポツリと呟いた。


「まあの…。」


リルはため息をついた。


この日二人はミラージュを怒らせないようにしようと心に誓ったのだった。



とうとう4話目になりました。

次はミラちゃんの転生後の初休日となります。

是非次も読んでくださいね!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今回は内容があっさりしてて、スラスラ読めた。いつものほのぼの展開で良かった。 [一言] 勇者の印象が薄かったかな?
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