●第40話 ~ 壊れゆく日常 ~
新章突入です!(^o^)v
エルトリア王国剣技大会が終わり一ヶ月ほどがたった頃…。
「リル様。一段落つきましたので休憩にしましょう。」
ミラージュがコーヒーとケーキを持って執務室に入ってきた。
「うむ、ありがとうなのじゃミラちゃん。」
「今日は人気店の『ラ・ムラング』で買ってきた。チョコレートケーキですよ~♪」
ミラージュは尻尾をブンブン振っていた。
「おお!あの一時間は待たねば買えぬ幻のチョコレートケーキかのう?」
「はい♪リル様が食べたがっていましたので買ってきたんですよ♪」
二人は和気藹々と休憩がてらのティータイムを楽しみ始めた。
二人がティータイムを終えた直後、異変は起こった。
ドガァァァァァーン!!
と、大きな音と共に地面が揺れた。
「なっ、何が起きたのじゃ!」
「じっ、地震ですか?」
リルとミラージュは何が起きたのか分からず周囲をキョロキョロ見回した。
「リル様!緊急事態です!!」
バン!!と、余程慌てていたのか少々乱暴にドアを開きレインが息を切らしながら入ってきた。
「どうしたのじゃレイン?」
「ホ、『ホール』がっ!五ヶ所同時に何の前兆も無く開きました!」
「「えぇぇぇぇ!!」」
リルとミラージュの声がハモっていた。
sideエルトリア王国
レインがリル達の所に入ってくる数分前 ー
「よし、鍛練終了。」
アルベルは木刀を元に戻すとシャワールームへと向かい汗を流した。
汗を流したアルベルが自室で寛いでいると
ドガァァァァァーン!!
と大きな音と共に地面が揺れた。
「なっ、何が起きたんだ?」
アルベルが目をパチクリさせているとトントンとノックの音がして
「アルベル様!国王様がお呼びです!」
と、慌てた様子でメイドの少女が入ってきた。
「陛下。お呼びと伺い参りました。」
アルベルがそう言って謁見の間に入るとそこには深刻そうな顔をした父、フィリップの姿があった。
「待っていたぞアルベル。とんでもない事が起きた。」
「とんでもない事とは?」
「何の前兆も無く多数の『ホール』が開いた。現在確認されただけでも四つはあるそうだ。」
「なっ!何だって!」
アルベルは悲鳴に近いような声をあげていた。
sideファルシア王国
レインがリル達の所に入ってくる数分前 ー
「アリステア様。今日はお休みですか?」
王都ファルシアンの一角にある雑貨屋の前に居たアリステアに買い物篭を手に持った少女が笑顔でそう声をかけてきた。
「ええ。丁度休みだし町をブラついているの。」
「そうですか。ゆっくり楽しんで下さいね。それでは。」
「ありがとう。気を付けて帰ってね。」
そう挨拶を交わした直後、
ドガァァァァァーン!!
と大きな音と共に地面が揺れた。
「なっ何が起きたの?取り敢えず王宮にいってみましょう!」
アリステアは王宮にに向かって駆け出した。
アリステアは謁見の間のドアをノックすると
「セレナ様アリステアです。入ってよろしいでしょうか。」
と声をかけた。
「おお!アリステアか。丁度呼ぼうと思っていた所です。入りなさい。」
「失礼します。」
セレナの許しを得てドアを開け中に入るとそこには近衛隊長ルシルやこの国の第一王女にして宮廷魔術師長でもあるセレネ=フォン=ファルシアン等、そうそうたる顔触れが集まっていた。
「アリステア…。最悪の事態が起こりました。何の前兆も無く『ホール』が多数開きました。数は分かっているだけでも三つ…。この国建国以来の危機です。」
セレナは静かにそう言った。
sideカイゼル王国
レインがリル達の所に入ってくる数分前 ー
ザクッ!ザクッ!
ユリウスは苗を植えるために畑を耕し畝を作っていた。
「ふぅ…。ちょっと休憩しようかな。」
畑の近くにある木の下に腰かけた。その時!
ドガァァァァァーン!!
と、大きな音と共に地面が揺れた。
「な…。何があったんだ!」
ユリウスが呆然としていると近衛兵と思われる少年が走ってきた。
「ユリウス=アレキサンドライト様ですね?国王ディアス様がお呼びです。王宮へと御同行願えますか?」
少年は緊張した様子で声をかけてきた。
「分かりました。」
少年と共に王宮の謁見の間に行くとそこには深刻そうな顔をしたディアスの姿があった。
「おお!来たかユリウス。とんでもない事が起こった。何の前兆も無く多数の『ホール』が開いた。その数は分かっているだけで四つもだ。」
ディアスは険しい顔をしていた。
side???
「とうとう起きてしまいましたか。」
ミラージュの夢に出てきた少女は悲しげな顔をしていた。
「皆さん…。どうか無事でいて下さい。」
少女の切なる祈りが何もない空間に響いた。
ー これが後の世に『最終戦争』と呼ばれ歴史書にその名を残す最大にして最終となる侵略者との戦いの始まりであった。
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