● 第28話 ~ 剣技大会~
ミラージュに招待状が届いたようです。
「何々…。『名誉会長アルベル=フォン=エルトリア含め過半数の推薦により、エルトリア王国剣技大会への招待が決定いたしました。ご出場希望の場合、同封の葉書にご記入し返信の上、当日に同封の招待状を御持参の上、受付へとお越し下さい。』ですか…。」
ミラージュは少し興味があるのか尻尾をユラユラと揺らしていた。
「出場する気はあるかの?」
「そーですねぇ…。う~ん…。」
ミラージュはチラリとリルを見た。
ー 『仕事が休みなら出てみたい!』と言う事だろう。
「出てみてはどうかのう?その日は妾も国賓として観戦する事になっておるから休みでも大丈夫じゃぞ。」
「なら出て見ようかと思います。」
ミラージュはニッコリと笑った。
ー 勿論尻尾は絶賛ブンブン振られ中である。
「そうか。それは今年も楽しめそうじゃのう。」
リルはカラリと笑っていた。
「どこまで出来るかは分かりませんが自分の腕を知るには良い機会なので頑張りたいです。」
「そうかそうか。頑張るのじゃぞ♪」
リルはミラージュの頭をワシワシと撫でた。
「えへへ♪」
「それにしてもミラちゃん!推薦を貰えるとは凄いのじゃ!」
「?凄いんですか?」
「うむ。そうじゃぞ?推薦が無ければ予選大会から勝ち上がらねばならぬし、推薦枠は十名しか無いからのう。」
「推薦は、多分私が弟子だからだと思いますが…。」
ミラージュは苦笑していた。
「デイビッドから聞く限りそれだけでは無いと思うがのう。」
「そうですか?」
「うむ、そうじゃぞ…。」
ー 軍の手練れが何人も一瞬でボコボコにされただとか、魔物百匹の群れを単騎でボコッたetc…。
リルは心の中でデイビッドに報告された事を思い出していた。
「私、そんなに強くないと思うのですがね?」
首を傾げるミラージュであった。
ー 師匠が師匠であるのでミラージュが自分の実力を過小評価してしまうのもある意味仕方の無い事でもあるだろう。
実際の所、本人には全く自覚が無いが、ミラージュの実力は四天王にも決して劣らない程の物になっており師匠であるアルベルやアリアとも互角に渡り合える程になっているのだ。
「ま、ミラちゃんも実際に猛者共と戦ってみれば妾の言った事も理解できるようになるじゃろう。」
「推薦して下さった方々や師匠に恥をかかせないようにしなきゃ!」
ミラージュはフンスと気合いを入れていた。
「ちなみに優勝者はアルベルとエキシビションマッチが出来るそうじゃぞ。」
「なら絶対優勝しなきゃ!今度こそ私が勝つんだから!」
そう言うとミラージュはパタパタと何処かへ走って行ってしまった。
「そう言えばミラちゃん一度もアルベルに勝てとらんとぼやいておったのう。」
リルはクスリと笑っていた。
ー 『いやぁーミラージュちゃんと全力でやりあってもいつ負けてもおかしくないから気が抜けないよ!師匠として負けられないから何処かに行って修行してこないとな!』とアルベルも同じようにフンスと気合いを入れておったのう。
と思い出すリルであった。
一方その頃アルベルは…。
「クシュン!!」
「あら?風邪でもひいたの?アルベル。」
「いや、多分何処かで噂されたんだろう。」
ー エルトリア王国のとある山奥での出来事であった。
「よし、必要事項は記入したと…。これは後でリル様に送ってもらうとして…。で、大会のルールがコレかな?」
自分の部屋へ戻ったミラージュは机の上に手紙を広げていた。
ー エルトリア王国剣技大会ルール ー
1、武器、防具は大会側が用意した物を使用する事。
1、勝利条件は相手を気絶させる、相手の武器を破壊する、敗けを認めさせる、の三つの内のどれかを満たす事とする。
1、勝負は特殊な結界が張られたリング上で行う事。
1、自己強化、付与魔術等の一部例外を除き魔術の使用を禁止する。
1、ポーション及びドーピング薬等の薬物の使用を禁止する。
以上の五つである。
ちなみに特殊な結界と言うのは、『その結界内では例え死んたとしても試合が終わりさえすれば全て無かった事になる。』と言う物で、『時戻リノ結界』と呼ばれているらしい。
「ふ~ん…。これでルールもOK。」
ミラージュは手紙を丁寧に封筒に戻した。
「大会は約2ヶ月後…。どんな人達と戦えるんだろう。楽しみだな。」
「クウ♪」
シルクはミラージュにすり寄っていた。
「ん?自分も楽しみだって言っているのかな?」
「クウ~ン♪」
「あぁ、絶対に自分も連れて行けって事かな?」
「ワン!」
『その通り!』とでも言うように元気良く吠えた。
「行けるかどうかは分からないけどリル様に連れて行って大丈夫か聞いておくね。」
ミラージュはシルクを優しく撫でた。
ー 2ヶ月後…。
エルトリア王国首都セント=エルドリュアス…。
中世ヨーロッパを思わせる白亜の町にリル達はいた。
「この大きな建物が会場であるエルドリュアスタジアムじゃ!」
リルが指差したのはコロッセオを思わせる荘厳な石造りのドームであった。
ー エルドリュアスタジアム…。この世界最古にして最大の石造りの建物である。
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