● 幕間 ~ ドワーフの町ぶらり旅 ~
少し時間を遡った話です。
時間を遡り、リル達がカイゼル王国に滞在中の話である。
「ミラちゃん本当にすまんかったのじゃ…。尻尾大丈夫かのう?」
「…。まだじんじん痛みますが大丈夫です。」
少し涙目のミラージュは尻尾を撫でながらニコリと笑った。
「よしよし。頑張ったミラちゃんの為に何かご褒美をあげるのじゃ。何か欲しい物はあるかの?」
「う~ん…。特にありませんが、気晴らしに町を見て回りたいです。」
少し悩んだ末、ミラージュはそう答えた。
「うむ。では誰かに案内してもらい行くとするのじゃ!」
「やったー♪」
こうしてリル達は町へと繰り出して行った。
二人を案内するのは『聖鎚ミョルニル』に選ばれたドワーフの勇者、ユリウス=アレキサンドライト。
彼は四ヶ国会議の時にいたディアスの護衛で、鈍色の鎧を着た癖のある茶色の髪に黒目の14~15歳の少年である。
印象としてはドワーフにしては少々細めの優男って感じだろうか?どちらかと言うと華奢な感じの彼があの大きな鎚を振るうと言うのだから人は見た目によらないのだと改めて思った。
「リル様、あれは何でしょうか?」
ミラージュが指差したのは菓子屋の一角に並んだ一見すると石や宝石にしか見えない何かである。
「はてはて何じゃろうなぁ?気になるなら買ってくると良いのじゃ。」
リルはニヤニヤしながらそう言った。
「む~!わかりましたぁ!ちょーっと待ってて下さいねー。」
ミラージュはパタパタと菓子屋へと走って行った。
暫くして可愛らしい小瓶を二つ抱えたミラージュが走って来た。
「お待たせしました。」
「うむ、ではいくのじゃ。」
リル達は再びブラブラと歩き始めた。
ちなみにミラージュが買ってきたのはストーンチョコとジュエルキャンディと言うお菓子で、カイゼル王国の名物である。
ストーンチョコは鉱山周辺でしか採れない『鉱石カカオ』と言うカカオを使って作られるチョコレートで、ジュエルキャンディは同じく鉱山周辺でしか採れない『ジュエルきび』から作られる『ジュエルシュガー』から作られる飴である。
どちらも小瓶一つ分で大銅貨五枚と言う手軽な値段設定となっている。
リル達がアクセサリー店や服屋を見て回る内にいつの間にかお昼の時間になっていたので、たまたま目についた食堂で昼食を摂る事になった。
案内をしてくれているユリウスの勧めで、リルは『サンドバーグ』をミラージュは『ストーンステーキ』を注文した。
この二つはこの周辺に生息する『鉱石牛』と言う牛の肉で作られた物で、その肉の見た目は一見すると大理石の様で、ステーキなら文字通り石に…。ハンバーグなら泥団子に良く似た物になる。
但し味はAランク和牛のサーロインにも決して負けない美味な物である。
それこそ肉好きのミラージュなど一口食べただけで虜になって物凄い勢いで尻尾が振られているほどである。
ー かなり痛い思いをしたであろうミラージュには最高のご褒美になったのであった。
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