● 第20話 ~ ドワーフの国へ…。 ~
新章突入です!
切っ掛けは手紙と供に…。
「ミラちゃん!カイゼル王国に行くぞ!」
ディアス王からの手紙を読み終えたリルが唐突にそう言った。
「はい?」
「クゥ?」
ティーポットを手に持ったミラージュとその後ろでクッキーの皿の乗った御盆を器用に頭に乗せた名付けの影響か1~2回りほど大きくなったシルクが何故?と言う感じの顔をしていた。
「人工神器の試作品が一つ出来上がったそうじゃ。杖であるゆえに妾に一度見に来て欲しいと手紙に書いておったのじゃ。」
「そうですか。出発の予定は…。」
「ふむ、明日にするつもりじゃ。滞在予定は一日か二日じゃ。」
リルはミラージュの入れた紅茶を口に運んだ。
いくらなんでも少々行動に移るのが早すぎやしないだろうか?
「リル様…。相手の方にはその事は…。」
「まだ伝えてはおらぬぞ。今、手紙を送る所じゃからの。」
リルはそう言うと机の端に書かれた魔方陣を起動させるとシンプルに『明日出発する ー 魔王リル=フォン=ルーンフェリアより』と書かれた紙を封筒に入れ封をすると魔方陣の上に置いた。
するとその手紙は光と供に消え去った。
どうやらあの魔方陣は転送魔法の物らしい。
あれから五分もかからずに『了解』と書かれた手紙が送られてきた。
ー 王様同士の手紙のやり取りの文章がこんな簡単な物で良いのかとは思っていたがとりあえず出発するための準備を始めたミラージュであった。
一方その頃ディアスはと言うと…。
「ー と言う事だ。もてなす準備をするように。」
「はい!!」
と、もてなしの準備が慌ててなされたとかなされなかったとか…。
そんなこんなでやって来ましたカイゼル王国。
王都ディアスは近代的な煉瓦造りの家屋と工場が建ち並ぶ一大工業都市であった。
その一角にある工房にリルとミラージュ、そしてディアスがいた。
「ほう…。コレが試作品か…。」
リルは虹色の石がはめられた神々しく輝く杖を真剣な眼差しで見ていた。
「はい。セレシアの神杖と名付けました。」
そう言って恐縮した様子で杖を差し出したのは工房に主であるルーク=シュタットフェルトである。
ボサついた茶髪に黒目、蓄えられた髭…。小麦色の肌をした二十代位の見た目の男で、カイゼル王国でも1~2位を争う腕の鍛冶師らしい。
「ふむ、なかなかのものじゃ。」
「ありがとうございます。後は上手い事神器の力が宿っていたら成功なのですが…。」
「ふむ…。妾の見た感じでは宿っておるとは思うのじゃが…。」
「実際に使ってみなければ…。か。」
「はい。」
ルークはコクリと頷いた。
「流石に試さずにいきなり実戦で使うわけにはいきませんしね。」
ミラージュは杖を見つめていた。
「うむ、では早速試してみるのじゃ。」
そう言うとリルは杖をミラージュに渡した。
「へ?何故私に杖を?」
「妾以外でも使えねば意味が無いじゃろ?」
リルはニコリと笑っていた。
こうしてミラージュが杖の初使用者として選ばれる事になったのであった。
初の人工神器、上手くいくでしょうか…。
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