● 第17話 ~ 消えたミラージュ ~
お待たせしました。
次の日…。
リル達はファルシア王国の王都であるファルシアンで観光を楽しんでいた。
ファルシアンは世界樹を中心にリング状に出来た町で、そこから少し離れた場所にある丘の上に王城であるファルシアス城が建っている。
ちなみにリル達が泊まっている迎賓館もその丘に建っている。
ファルシアンを一歩でも出るとそこは霧が立ち込める大精霊の森となっていて、道を知らないものは永遠に出られない天然の防壁となっている。
その森の何処かにはエルフの祖と言われる精霊女王が住んでいるとも言われているらしい。
そんなファルシア王国の特産は珍しい薬草やキノコ、森の奥地で捕れる動物の毛皮や牙で作られた服やアクセサリーである。
「うわぁ~ルーンではあまり見かけない物ばかりですね。」
ミラージュは嬉しそうに尻尾を振っていた。
「はしゃぎすぎて迷子にならをようにな。ミラちゃん。」
「はーいリル様。」
「ハハハ!はしゃいでる姿を見てると普段しっかりしてるから忘れちまうが嬢ちゃんがまだ子供だって事を思い出すぜ。」
ルイは豪快に笑っていた。
「確かにそうだね。」
「ふむ、妾もそうじゃ。」
アリアとリルは同意していた。
「フフフ♪たまにははしゃいでも良いじゃないですか。」
ミラージュは小走りで走っていった。
「これ、ミラちゃん置いていくでない!」
「そうだぞー!」
「フフフフ元気で良いじゃないか。」
リル、ルイ、アリアは小走りでミラージュの走っていった方向に向かったが、突如ミラージュの姿を見失ってしまった。
「ミラちゃん!!」
リルは悲鳴に近い声をあげていた。
リルは慌てて『魔力探知』の魔術を発動させるが全くミラージュの反応が見られない。
アリアを筆頭に四天王がこの魔術を使えば半径5㎞は探知範囲に入る。リルにいたれば10㎞は優に越える。なのに反応が無いと言うのはかなり不自然な事である。
「反応が無い…。まるで転移でもしたかのようじゃ。」
「う~ん…。魔術の痕跡がありませんので、転移ではなさそうですね…。むしろこれは『精霊のイタズラ』かと思われます。」
アリアは難しそうな顔をしていた。
『精霊のイタズラ』とはわかりやすく言えば『神隠し』の事である。
突然何の前触れも無く行方がわからなくなる事をこの世界ではそう呼んでいる。
行方不明になった者はどんなに長くとも2日くらいでひょっこりと戻って来るらしい。その間、精霊と遊んだとか何か楽しげな場所で遊んできたとか行方不明になった者がそう証言するのでこのように呼ばれるようになったのである。
「アリアがそう言うならそうなのじゃろうな…。」
「て、事は嬢ちゃんを見つけるのは難しそうだな。」
ルイはため息をついた。
「そうでだろうね…。」
「取り敢えずセレナに相談してみるかの。」
リルはそう言うと城へ行くために元来た道を戻り始めた。
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「なるほど…。付き人の一人が『精霊のイタズラ』にあったと…。」
セレナは深刻そうな顔で言った。
「そうじゃ。もし良かったら手を貸してほしいのじゃ。」
「わかりました。では『精霊のイタズラ』の事は精霊に尋ねてみるとしましょう…。シルフィード!」
セレナの呼び掛けに反応したように謁見の間に風が吹き抜けるとうす緑色の髪、藍色の目をした緑色のドレスを見にまとい透明の二対のトンボのような羽を背中に生やした女性が立っていた。
彼女がシルフィード。風の最上位精霊である。
「シルフィード。彼女達の連れが『精霊のイタズラ』にあったらしい。貴女の力で連れ戻してほしい。頼めますか?」
「わかりました。配下に調べさせてみます。」
シルフィードはそう言うと小精霊を召喚し町へと放った。
それから数分後…。
「小精霊達が帰ってきましたね…。どうでしたか?」
小精霊達はシルフィードの周りを暫く飛び回ると何処かへと行ってしまった。
「解放されていたそうです。お連れの方は世界樹の木の下にいるらしいでしす。」
「ありがとう。シルフィード御苦労様でした。」
「いえ、またいつでもお呼びください。」
そう言うとシルフィードは姿を消したのだった。
「リル殿。場所はわかりました。迎えに行ってあげてください。」
「ああ!本当に助かった。ありがとうなのじゃ。」
リル達はミラージュを迎えに行くため城から出ていった。
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