● 第12話 ~ ミラージュ魔術を覚える~
新章突入です。
魔都防衛戦から数ヶ月が経ちようやく落ち着きを取り戻した頃…。
「魔術を覚えたいじゃとミラちゃん?」
「はい。まともに戦えるようにならたいのです。」
ミラージュは真剣な顔をしていた。
侵略者との戦いであまり役に立てなかった事を内心では気にしていたのだ。
「ミラちゃんは妾のペットなのじゃ。別に戦えなくとも良いのじゃぞ?」
「それでもです。足手まといは嫌なんです。」
「…。分かったのじゃ。で、何を学びたいのじゃ?」
リルは真剣な顔で尋ねた。
「最初は魔術、次に体術に剣術…。」
「ちょ!一体いくつ学ぶつもりじゃ?ペットからSPにでもジョブチェンジするつもりなのかの?」
「いえ?そう言う訳では…。」
「ならばせめて二つにしておくのじゃ。少々欲張りすぎじゃ。」
リルは苦笑していた。
「そうですか…。では魔術と剣術を学びたいと思います。」
「分かった。まずはアリアに師事するのじゃ。そして魔術をある程度習得したら剣術の方も師匠となる者を付けてやるのじゃ。」
「ありがとうございます!」
ミラージュは嬉しそうに頭を下げた。
こうしてミラージュの魔術の修行が決まったのであった。
~ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ~
「え~じゃあ、まず初級の魔術からいきましょう。」
「はい。」
ミラージュは杖を構えた。
「まず、杖に魔力を込めるんだ。次にその魔力を杖先に集中させて『火』と呪文を唱えてみろ!」
「『火』!」
ボッ!
ミラージュの杖先に小さな火が灯った。
「うん、初めてにしては上出来かな。」
アリアは満足そうに頷いた。
「ありがとうございます。」
「その調子でもっと魔力を集めれば威力が出るようになるよ。」
「頑張ってみます…。『火』!」
ボウ…。
本の少しだけ火が大きく灯った。
「よし、とりあえず実施はここまでだ。」
「え?もうですか…。」
「ああ!『火』の実施は魔力の有無と強弱の確認も兼ねていたからね。ミラージュは今でもそれなりの魔力が有るみたいだから放出と吸収の訓練を始めればかなり伸びるはずだよ。今からそれを教えるよ。」
アリアはそう言うとミラージュを連れて町外れにあるエレメンタルの森へと向かった。
「まずリラックスして座り目を閉じる。そして大気中の魔力の流れを感じ取るんだ。そして感じ取れたらそれを自分のへその下の丹田に集めるようにイメージし取り込んでいく…。これが吸収の修行だよ。」
え~っと…。何かフワフワと漂う粒子みたいなヤツかな?これを丹田に…。なかなか難しいようだ。
「こればかりは感覚を掴むまでは難しいかもしれないね。ま、日々の積み重ね次第さ。」
アリアは苦笑していた。
一日一回一時間の瞑想がミラージュの日課になった。
ちなみに放出とは文字通り体内の魔力を一ヶ所に集めて体外へ出す…。と言う物だ。
これを応用した魔術が『魔弾』と呼ばれる魔術だ。大まかに言えば『火球』や『水球』等も『魔弾』の一種と言える。
こちらの修行の方は結構順調に進んでいる。
後は本を読んだりする座学である。
元々読書が趣味なのでこの勉強?は結構楽しい。
どうやら魔術とは大きく地、水、火、風の四大元素の元素魔術。光と闇の混沌魔術。身体や物に特殊な効果を与える付与魔術、時間と空間の時空間魔術の四つのカテゴリーに分類される。
例えば『雷球』や『風球』は風。『水球』や『氷球』は水の元素魔術になる。一部例外に『固有魔術』という物がある。
これは種族固有の物で木魔術や血液魔術等がそれに当たる。
後、個人によって得手不得手という物があるらしく高位の魔術が使えるようになるかは努力も大切だか資質が重要になってくる。
ちなみに私は光に火と地、付与魔術と時空間魔術が特に適正が高いらしい。勿論だからと言って他の魔術が使えないという訳ではない。例えどんなに適正が低くとも第二位階位までは使えるものだ。
ちなみに位階とは魔術の強度を表す物で十まで存在する。火魔術なら『火』、『火球』、『火炎球』、『火炎巨球』、『大火炎巨球』、『火柱』、『火炎柱』、『火炎巨柱』、『大火炎巨柱』、『地獄大火炎』となっている。
私は現在第二位階の『火球』は使えるようになっている。
「もう少しで『大火球』までいけるだろう。」
とアリアは言っていた。
因みに『大火球』は第二位階の上位に当たる。精進あるのみ!である。
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「ミラちゃん。修行は順調かの?」
リルはミラージュの淹れた紅茶を飲みながら一息ついていた。
「はい。火の魔術なら第三位階。適正の低い闇なら第一位階までは使えるようになってきました。」
「ふむ。まあまあの進み具合じゃのう。」
リルはミラージュの頭をワシワシと撫でた。
「ありがとうございます。」
ミラージュは嬉しそうに笑った。
「その内我が軍の魔術師兵として戦場に立てるようになるかもしれぬの。」
「立てるように頑張ります。」
「そうか。ならばその調子でサボる事無く精進するが良い。」
「はい!」
ミラージュはピシリと姿勢を正した。
「ふむ。お、そうじゃ!剣の師匠も見つけておいたから後で紹介してやるのじゃ。」
「わーい!」
「但し火の魔術が第四位階に達してからじゃぞ?良いな?」
「うう…。わかりました。」
「なぁに第三位階まで使えれば第四位階はそう遠くはないから大丈夫じゃよ。」
リルはミラージュの頭を優しく撫でた。
これは先の話であるが後にミラージュは魔王軍随一の魔術剣士へと成長するのであった。
12話に突入しました。
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