第9話~魔都防衛戦1~
数時間前…。
魔都ルーンから約5km先の平原にて…。
「リル様…。あれが『ホール』ですか?」
ミラージュは不安そうな顔をしていた。
「うむ。正確にはその前兆のヒビじゃ。」
リルは深刻そうに空に現れたヒビを見ていた。
「さて、ミラちゃんよ…。侵略者いつが出てくるかも分からぬ。約束通りテントに行っておるがよい。」
「はい。」
ミラージュは少し離れた場所にあるテントへと向かって走って行った。
実はミラージュは留守番は嫌だとリルに訴え戦闘に参加しない事を条件にここに連れてきてもらっているのである。
名目は衛生兵の雑用係と後方支援となっている。
ミラージュがテントに入ってほんの数分後
パリン…。
と音が響き渡り開いた『ホール』からドロリとヘドロの様な液体が滴り落ちグネグネとスライムの様に動きながら人の形へと姿を変えリル達ルーンフェリア軍へと襲い掛かってきた。
「いくぞ!聖杖ルーンよ。」
「ええ!リルちゃんOKよ!」
リルの持つ色取り取りの宝石が埋め込まれた金色の杖から凛とした女性の声が聞こえたと同時に
ポウ…。
と淡い金色の光を発し始めた。
「いくぞ!『火炎大雨』!」
天空から無数の火の矢が降り注ぎ侵略者の軍隊へと襲い掛かる。
「ギャァァ…。」
リルの火炎大雨に晒された侵略者達は青白い光を吹き上げながらが消滅していった。
「流石はリル様!私も負けていられないな!『火球連弾』!」
「そうだぜ!」
アリアの手から放たれた火球の連撃が侵略者達を撃ち抜き、ルイの鋭利な爪が侵略者を引き裂き青白い光の粒子へと変えていった。
「やれやれ…。アリアとルイは相変わらず騒がしいですね…。」
「あら?二人らしくていいじゃない。」
レイは眷属である骸骨兵を、ミザリーは蝙蝠を従え猛攻を仕掛けていた。
「皆さん!リル様と四天王の方々が侵略者を引き付けてくれいます。右から崩しますよ!『筋力強化』!『魔法強化』!」
レインは杖を振り上げ兵士達に強化魔法をかけていた。
こうして少しづつ侵略者達を倒していきその軍勢を蹴散らしていく中
ベチャリ
と『ホール』からヘドロの塊が落ちてきたかと思うとヘドロの流入が止まった。そしてヘドロの塊は…。
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ミラージュside
「ミラージュちゃん。ハイポーション持ってきて!」
「はい!」
看護師姿のミラージュがハイポーションの詰まった木箱を抱えて走っていた。
今回の『ホール』の規模は歴代1~2を争う大きさであるためか怪我人の数が非常に多い。
「包帯を持ってきました。」
「MP回復ポーションです!」
ミラージュはテント内を駆けずり回りながら頼まれた物を順に渡していった。
「ミラージュちゃん。休まなくて大丈夫?」
衛生兵の一人が心配そうに言った。
「大丈夫です。リル様達が頑張っているのに私一人だけ休む訳にはいきません。」
ミラージュはニコリと笑った。
「そう?無理はしないでね。」
「はい。」
ミラージュはそう言うと仕事をし始めた。
しばらくして怪我人の手当てが済んできたので少し休憩していた所!
ドゴォォォン!
という音と共にテントの一分が吹き飛んだ。
驚きの余り変化が解けたミラージュは子狐の姿に戻ってしまった。
恐る恐る目を開けるとそこには巨大な全長1kmは有ろうかと思われる西洋風の黒いドラゴンがそこにいた。




