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レモンティー

作者: 長瀬 俊



眠れない夜に限って

あなたのこと思い出すの


僕がいつも飲んでた

レモンティーを入れてみた


夜中の時計はとても穏やかで

氷の音とハモっている


酸っぱい気持ちとタバコの煙で

目にしみて汗が出たの


涙なんて決して流さない

誰かの前では流せない


自分の弱さと

外の寒さが

合わなくて


辛くないのに

辛くないのに


目から雨が止まらない



君とよく待ち合わせた場所を

通り過ぎるたびに


楽しかった思い出だけが

瞳の奥に映し出される


まるで悲劇のヒロインかのように

誰かを傷つけてしまう


そうやっていつからか僕は

一人の時間が増えていった


誰も悪くないのに

どれくらい歩いたのかな


後戻りは出来ないのに

自分だけが傷ついてた


今日もレモンティーを片手に

オレンジの夕焼けを眺める



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