ミッドナイト・ハロウィン
それからぼくたちは
かつてよりよく知っていた幸せを
なんとか取り戻そうとするのだ
だれにもできない
永遠の愛をふたりが
ふたりだけが
手に入れることができるとは
信じられないけれど
どちらかが
先に死んだとしても
残されたひとりは
幸せなまま生きていけるという
永遠の幸せ
そんなもの
あるわけ
ない
けど
あると
ふたり
信じようとして
信じようとして
ある日気づいてしまうのだ
ひとりは寂しいという
嘘をつけない真実に
ふたりはふたりして
もはやどうにもならない
孤独の恐怖に
襲われることとなる
それからぼくたちは
かつてよりよく知っていた幸せを
なんとか取り戻そうとするのだ
だれにもできない
永遠の愛を手に入れることは
できやしないんだけれど
手に入れられないとしても
今のこの愛は嘘じゃないんだからと
刹那の愛を楽しもうとする
それがたとえば今日だよ
可能なかぎり
アッチの世界へ行こうとする
ね?
行っちゃおう、行っちゃおう、
どこまでも、行っちゃおう、
って、
そんな刹那愛だから、
ぼくたちは
羽目外して
みだれまくるんだって
愛が可変の息苦しさから
逃れたくって
その日だけは
狂いまくるんだって
ぼくたちを
報道するあなたたちは
なにも知らないでしょう?
もちろん、
永遠の愛なんて
考えたことも、ないんでしょう?
永遠の愛にこだわる
なんて
そんな愚かなオトナは
どこにも
いないよね?
いいよ、だから、ぼくたちは
ただ、ぼくたちだけで
騒ぐから。
たからもう、
そんな目で見ないで。
見られたって、いいように
ほら、
ぼくの顔、見えないままでしょう?