プロローグ
どーも、こんにちは?こんばんは?
よくわからないけど、ほーさんです。
今回のこのお話は、ちょっと頑張ってみました!
このお話を、「敗北の少年」や「ハイアンド・シーク」を聞きながら読むと、
感動が倍になるとおもいます!!
ぜひ読んでください!!
恵美は小さいころから、おとぎ話が大好きだった。
毎晩母におねだりして、寝る前に絵本を読んでもらった。
「赤ずきん」や「シンデレラ」。「かぐや姫」に「一寸法師」など。
たくさんの本を母が読むのを、少しうとうとしながら聞くのが毎日の楽しみだった。
そのなかでもとくに恵美が好きだったのが、満月の夜だけ
こわーいオオカミに変身してしまう、「おおかみ男」だった。
初めて読んでもらったのがこの本だからというものもあるが、
この本の情景を想像すると、恵美はどの本よりも一番感動したのだった。
そしてこの本は、恵美が小学生になっても、ずっと大切に持っていた。
夏休みの宿題の読書感想文だって、必ずこの本にした。
さすがに絵本は駄目だったので、自分のおこづかいを使って、小説版を買った。
その本を手にした時の感動は、初めて読んでもらった時と変わらないぐらいだった。
全身に鳥肌ができて、思わず飛び上がってしまいそうだった。
*
それから年月が流れ、恵美は中学生になった。
桜がきれいな木もあれば、まだつぼみをつけている木もある並木道を、
恵美は鼻歌を歌いながら歩いた。
恵美は中学校に入ってから少ししたときに、父の都合で引っ越しをして、
中学校に知っている友達は居なかった。
しかし、小学生の時も一回転勤したが、またすぐに友達ができたので、
不安など一ミリもなかった。
新しい中学校が見えてきて、クラス分けの紙を出すやいなや、
強い風が吹いてきて紙が手から離れた。。
「ああ・・・!」
気付いたときにはもう遅く、紙は木をよけるようにして飛んで行った。
すると、その紙がある少年のほうに向かって、
飛んで行っているのが見えた。
恵美はもうその少年に託すしかないと思い、大声で少年に言った。
「お願い!その紙を止めてー!」
少年は恵美に気付き、振り向こうとした。
ーが・・・。
もう遅く、その紙は少年の顔で止まった。
私はあわてて少年のもとに駆け付けた。
「すみません!!大丈夫ですか!?」
少年は顔から紙を外し、苦笑いをしていった。
「だっ、大丈夫です・・・。」
恵美は驚いた。
少年の瞳は、とてもきれいな緑色で美しかった。
まるで、宝石のように透き通っていた。
数秒間ほど、恵美はそれに見とれていた。
そして我に返った。
それから恵美は何度も少年に謝り、最後は少年から紙を受け取り、別れた。
「それじゃ・・・。」
「はい・・・。ありがとうございました。」
恵美は少年の背中をしばらく見つめていた。
*
そして校舎に入り、職員室へ向かった。
中からは、優しそうなの眼鏡をかけた男の先生が出てきた。
スラっとしていて、背が高い。
「行こうか。」
声もカッコよくて、思わずおっとりしてしまいそうだった。
そんな先生の後についていくと、先生はある教室の前で立ち止まった。
「入るよ。」
ガラッとドアが開いて、教室の中がが見えた。
中に入ると、生徒たちが恵美を見ていた。
「それじゃ、自己紹介して。」
少々戸惑ったが、落ち着いて自己紹介を始めた。
「えっと・・・。高浜中学校から来た、(川崎 恵美)です。
よろしくお願いします。」
自己紹介が終わり自分の席に着くと、周りの子が恵美に声をかけてくれた。
恵美は嬉しくなって、笑顔で話した。
*
休み時間。
恵美の周りに、たくさんの子が集まった。
そして、色んな話をしてくれた。
男の子は、「運動のこと」や「ゲーム」の話。
女の子は、「アクセサリー」や「ファッション 」の話をしてくれた。
すると、窓際の席に座って、窓の外を眺めている少年の姿が目に入った。
近づいて、声をかけてみた。
少年がこっちを振り向いた瞬間、恵美は息をのんだ。
あの・・・瞳だ・・・。
それは、今朝の少年だった。
次回も読んでくださいね!
お楽しみに!!