表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/34

一日目の終了だった



「それではこれで全員終わったな」


 俺のことはほったらかしで委員長は言った。


「明日だが立候補した十人以外は、戦いに出ないように交渉する。 もし受け入れて貰えないようならこの国はを出ることも考えるつもりだ。 みなはそれでいいだろうか?」


 委員長は明日の王様との席で、戦いに不参加のつもりのみんなを保護してもらうつもりのようだ。

 それにこちらの意思も聞き入れてもらえないようなら、これからいろいろと強制的にやらされる可能性が高い。

 委員長はそこまでを見越して国を出ると言っているんだろ。


「王女様……僕たちの気持ちは今、話し合った通りです」


 王女様はこの部屋に案内してから、今まで部屋の隅で俺たちの話し合いを聞いていた。

 俺たちがどうするのかを早く知りたかったんだろう。

 委員長もみなも気づいていたが何も言わなかったからよかったんだろう。


「あなた方のお話は聞かせて頂きました。 こちらも勝手に呼び出した身ですので、とやかく意見できません。 多少なりとも一緒に戦って下さる方がいてよかったとしか言えません。 もし王や宰相が残りの方を、無理に戦場へ引っ張りだそうとするのなら、私が責任を持って城の外へと逃がして差し上げます。 ですのでよろしくお願いいたします」


 丁寧頭を下げながら王女様はそう言ってくれた。

 つまり、王女様はこれからどうことが運ぶことになっても味方いてくれるということだ。


「ありがとうございます」


 みんなを代表して委員長が感謝を述べる。


「今日はここまでにしようと思いますので、寝る部屋へと案内いただけますか?」

「わかりました。 ご案内致しますので着いてきてください」


 今日はこれで話し合いは終わりで、これから各自部屋へと案内されるようだ。

 個々に与えられる部屋は、会議で使った大部屋から直ぐのところで、 大部屋から出て一つ曲がると一定間隔に扉がある廊下があり、そこが俺たちに与えられる部屋だった。


「この廊下にある部屋であれば、どの部屋を使っても頂いても構いません」


 中の間取りはほぼ同じでどれの部屋を使っても一緒で、多少の違いはトイレから近いかどうかだけだった。

 このフロアーではトイレは共同のようで、廊下の一番奥と先程の大部屋の近くにあるだけだそうだ。

 ここに来る前使わせてもらったが共同トイレだがピカピカだった。

 さすがに王城なだけはある。

 学校のトイレとはレベルが違った。

 トイレの話はここまでとして、俺たちは部屋割りを決めることにした。

 単純に男女でエリアが分けられて、あとはトイレの近くがいいやつら同士でじゃんけんをして決めた。

 俺はどこでもいいので適当にじゃんけん組が終ったあとに部屋を決めて入った。

 両隣はタクとヒカルだ。

 仲がいい同士で近くなるのは当たり前だろう。

 女子は男子がいると恥ずかしかったのか、全員男子が部屋に入ってから部屋割りを決めていた。

 自分の部屋へと入り部屋を見渡す。

 部屋の中はベッドと机、荷物用の棚あと小さめのタンスみたいなのが置いてあった。

 ベットに座ってみると以外と柔らかく寝るのには苦労しなさそうである。

 そんなことを考えながらベットの上で、ぼーっとしていると扉がノックされた。

 そのノックに扉を開けると、タクとヒカルが立っていた。

「遊びに来たんだな」

 どうやら、自分の部屋にいるのも暇だからこちらへ遊びに来たようだ。

 二人を部屋へと招き入れ、俺はベットへと座り二人は思い思いの場所に腰を下ろした。


「それで念願の異世界に来てみてどうだ?」


 俺は二人へニヤけながらそう質問した。


「魔法も何も使えてないから、まだ実感がわかないんだな」


 そりゃそうか……

 こちらに来てから半日くらいだし、夢だと言われた方がまだ信用できるかもしれない。


「それにしても、ヒカルが勇者だったのは驚いたんだな」

「確かに! 異世界召喚モノだからいるとは思ったが、もっとリア充連中の誰かだと思った」


 俺とタクは二人でヒカルをイジる。


「ぼ、僕だって勇者なになんてなりたくなかったよ!」


 ヒカルは今まで聞いたことがないくらいの大きな声で怒鳴ってきた。


「そんな怒るなって、勇者と言えば主役じゃないか」

「基本的に勇者はチート中のチートなんだな」

「そのかわり目立つじゃないか! 只でさえ人前に出るの苦手なのに……引きこもれるし、僕は隠者が良かったよ」


 人見知りでコミュ障なヒカルには、注目が集まり目立つは勇者は嫌だろう。

 隠者で引きこもりって……

 確かに隠者は外界から離れて過ごす、知識豊かな者のことだけど、自宅警備員とは違うんじゃないかな……


「二人はそれぞれ自分に合った職業だからいいよね」


 イジったせいかヒカルは少し拗ねてしまったようだ。

 俺の暗殺者は影がうすいのが影響しているだろうし、タクの銃士はたぶんゲーセンのガンゲーやFPSが得意なのが関係してるんだと思う。

 それなのに内気で趣味がフィギュア作りのヒカルがなぜ勇者なのだろう?

 俺たちの傾向からネクロマンサーとか人形使いになりそうなのに。


「ごめんごめん。 なるべく俺たちもフォローするようにするからさ」

「そうなんだな」


 今にに拗ねてこちらを睨んでいるヒカルに謝る。


「謝るくらいなら止めてよね。 本当に。」


 ヒカルは謝罪を受け入れて、呆れながら愚痴を溢す。


「僕たち三人でステータス見せ会わないかなんだな」


 ヒカルイジりが終ったので、タクが提案する。


「おまえらなら信頼できるし、俺はいいがヒカルはどうだ?」

「僕も大丈夫だよ」


 俺とヒカルは簡単に許可を出す。

 中学の時からの付き合いだから、ノーとは誰も言わないだろうが……


「なら言い出しっぺの僕もからいくんだな!」


 そのタクのステータスは……


名 前 大谷 タク  年齢 17  



 レベル 1



 体 力  150

 攻撃力  100(接近戦時)

 防御力  100

 素早さ  100

 魔力   150


 職業  銃士


 スキル  

 狙撃 Lv.5  速射 Lv.1  連射 Lv.1  銃剣術 Lv.1

 二丁拳銃 Lv.-  リロード Lv.- 

 魔弾

Lv.1 炎弾


 固有スキル

 銃器召喚 Lv.-

 超視力  Lv.-



 以上がタクのステータスで、銃剣術や二丁拳銃はあるが基本的に狙撃特化のようだ。

 超視力とか明らかに狙撃用のスキルだろ。


「銃器召喚ってどんなスキルなんだ?」

「名前そのままのスキルなんだな。 魔力を使って想像した銃器を召喚出来るんだな。 リロードも魔力を消費して弾を作るんだな」


 魔力が尽きたらヤバイが、魔力があるかぎりは遠距離最強になりそうだな。


「訓練が始まったら魔力を伸ばすやり方聞いてやるつもりなんだな」


 魔力があればあるだけ戦える時間が延びるのだからそこを伸ばすのは当たり前か。

 次はヒカルだな。

 勇者と言うだけあってステータスも凄いんだろう。


「僕のステータス見ても勇者なのにって言わないでよ?」


 そう言いヒカルもステータスを見せくれる。


 名 前 小山 ヒカル  年齢 17  



 レベル 1



 体 力  150

 攻撃力  200

 防御力  200

 素早さ  150

 魔力   200


 職業  勇者


 スキル  

 剣術Lv.3 看破 Lv.1

 魔術全

 Lv.1 ボール系 ファイアー、ウォーター、ウインドウ、サンダー、アイス、ライト、ダーク

 回復魔法

 Lv.1 ヒール



 固有スキル

 光剣 Lv.-

 障壁 Lv.-

 ブレイブスラッシュ Lv.1

 女神の加護 Lv.1



 さすが勇者って感じのステータスだった。

 魔法を全属性使えて、専用の剣が出せ、勇者の斬撃か……

 これで初期ステータスって言うんだから、やはりチートだよな。

 そして最後の……


「女神の加護ってなんだな?」


 俺の代わりにタクが聞いてくれた。


「うんと……一日に一回死にそうな攻撃を無効化してくれるみたい」


 な、なんてチートスキルなんだ。


「普通に考えて、そのスキルが最強スキルじゃね?」

「初見殺しをも回避できるから使えるスキルなんだな」


 タクと二人でやっぱ勇者はスゲーと感じる。


「強いスキルだけど、相手が二人以上で来られたら一撃防いでも、二人目の攻撃で死んじゃうよ」


 それも一理ある、連携が上手い奴等が相手だと、このスキルはあまり通用しない。


「ヒカルが死なないように、俺たちがいるんだからから大丈夫だぞ」


 俺とタクでそう言うと、ヒカルは少し嬉しそうに微笑んだ。


「それで最後は俺か……」


 俺もタクとヒカルにステータスが見えるように画面を広げる。


「これはなんとも暗殺者なんだな……いや忍者か?」


 いや、忍者って確かに固有スキルは忍者ぽいけど職業は暗殺者ですよ


「僕もこれは忍者寄りだと思った」


 ヒカルもか……


「しかもスキル使うと、これまで以上に影が薄くなるんだな」


 ハハっとタクは笑う。

 俺としては笑い事じゃないんだけど……


「笑っちゃ悪いよ。 ぷぷっ ほ、ホントにキエルにピッタリなし、職業だと思うよ」


 ヒカル、フォローしてくれてるんだとは思うが、笑うの我慢してるのバレバレだからな!

 俺自身でもピッタリの職業だと思うよ……

 たぶんスキル使ったら誰にも見つからないんじゃないか?

 自分で言ってて泣けてくる……


「それじゃあ、話できたし部屋に帰って寝るんだな」

「僕も戻るね」


 二人は笑いながら、部屋を出ていこうとする。


「おまえら暗い夜には背後に気をつけておけよ!」


 俺は二人の背中に負け惜しみをぶつけるのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ