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ハンター初日

翌日。


俺は朝食を御馳走になったら早々にカルボス家から撤収した


レオノーラは昨日半日でなぜか俺を気に入ったらしく、凄く寂しがっていた


それが凄く可愛くてもうちょっとでロリ属性が俺に付与される所だったぜ…


ただでさえ、不幸属性が付いてるのに…


話を戻そう



…そうそう、メイドさん達は笑顔で見送ってくれたぜ?

あれは心の底から湧き出た笑顔だった


どんだけ客がキライなんだよ…


さらには「あ〜ぁ、片付け面倒臭い」だってさ


次来たら俺の命が危ないな


気を付けよう


レオノーラの親父おやじさんからは餞別としてこの街の通行手形と身分証を貰った


これでどんな時もこの街に出入り出来るし、身元も保証される。



こんなに便利な物が揃っても俺には遣らねばならん事が一つあった



金稼ぎだ



あのクソ女神、かねを一泊分しか用意してくれなかったのだ


普通、もっとくれるだろ


ということで俺は今、ギルドの受付にいる。


勿論、ハンターの登録をするためだ


だが、ここで問題が一つ発生した。


…ここで登録料を払ったら最後。今夜泊まる宿代が無くなるのだ。


もう、一銭もなくなるのだ


この世界では一銅か…なんて読むんだろう?


まぁ、いい。

それより今、どうするかだ。


今払わなければ登録料が無くなるのは確実。


いざとなればカルボス家にお世話になればいいのだろうが、それは最終手段だ。


あそこは俺の命が保証出来ない


メイド恐怖症になるかもしれないぜ…


そうそういないぞ?こんな恐怖症を持ってるやつ。


だが、背は腹に変えられない。


払うしか無い。


と言う事で一文無しになった俺は街を出て、取り敢えず、木が鬱蒼と茂った森にきてみた


どうやらここは討伐依頼のモンスターが沢山出るらしい。


ここで何かしら倒せば依頼達成の確率が最も高いらしい、と言う情報を受付嬢から聞いたのだ


確かに沢山のハンターがいる。


とにかく稼がなければいけない。


手当たり次第モンスターを狩りとっていく


だんだん狩りに慣れてきて、陽も傾き始めたので帰ろうと剣を仕舞った。


もう魔法は盗賊退治の時の苦い思い出があるので使っていない。


元々ゲームでも魔法は補助として使っていたので特に問題は無かった



帰ろうと今まで来た道を帰ろうと振り返った瞬間、俺はとんでも無い事に気がついた


そう。帰り道がわからない。


ただでさえ土地勘の無い世界で地図も持っていない状態で、結構深い所まで来てしまったようだ。


どうしようと途方に暮れ、野宿も覚悟した時、何処からか、女性の「きゃーーーーっ!!」という悲鳴が聞こえた


急いで声の方に走って行くと沢山のオークやゴブリン、シルバーウルフが何かを囲んで一斉に飛び掛かろうとしていた。


その隙間から微かに紫色のローブと栗色の長い綺麗な髪が見えた


恐らくあの綺麗な髪の持ち主がさっきの悲鳴の正体だろう


みると15歳ほどの女の子だった


このまま剣で切り掛かっては間に合わないと思った瞬間、俺は無意識に魔法を使っていた


「ファイヤー・キャノン!!!」


これは結構使い慣れている魔法だ。


手を広げて前に突き出すとてのひらから火の玉が機関銃のように連射された。


叫んだ瞬間「あっ、しまった」


と思ったが意外と掌は熱くない。


そのまま連射してると半数は倒れ、仲間を倒された他のモンスター達は突然の乱入者に驚き、逃げていった


追おうとして手を剣の柄に伸ばした瞬間、突然掌の所々に熱い棒を押し付けられたような痛みが襲った


まさか、時間差で来るとは…


たまらず俺は


「ノオォォォォォォッーーー!!!」


と叫んだ


大声を出すとさらにモンスターを呼びかねないが今はそんな事を気にしてはいられない


助けた女の子が慌てて俺の口を塞ぎに走ってくる


しかし、時間差で来るのは仕方がない。


覚悟していれば多少は耐えられるが、さっきの俺はもう安心して緩みきっていた


「ファイヤー・キャノンは使えるぞ」、と


道端で余所見をしていたら急にアッパーを食らわされたようなものだ


堪ったもんじゃない


帰り道、幸い他のモンスターに襲われることもなく、帰り道もその女の子に案内して貰えたが、掌が始終ズキズキしていた



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