カルボス・レオノーラの意地
今回はレオノーラ視点です
私は馬車が全速力で池のそばを駆け抜けた時、外を見ていた時、人が回転しながら飛んでいる、いや、吹っ飛ばされているのを見ました。
暫くその光景に唖然となっていましたが、外の状態を一番把握していそうなフォーラス様に聞いてみました。
「あの、さっき人が回転しながら飛んでいらっしゃいませんでしたか?どうしてあの様になったのかお分かりになりませんか?」
フォーラス様は
「…おそらく我々を追っていた盗賊どもの騎馬にでも蹴られたのでしょう」
と言っています。
しかし、飛んでいた方は私達が近くを通った事で騎馬に蹴られてしまいました。
もし、私達があの池の近くを通っていなければあの方は盗賊に巻き込まれることもなく、平和に過ごせていたはずなのに…
私はいつも、お父様に
『自分がかけた迷惑はしっかりと責任を取りなさい。また、部下の責任を持つのも上に立つ人間の義務だ。だから、自分の近くには信用出来る者を置きなさい』
と言っています。
このままお屋敷に帰ったらきっとお父様に怒られ、幻滅されてしまいます。
だから、外にいるフォーラス様に向かって
「すぐに池の方に戻って下さい。あの、飛んでいた方の救助をして下さい」
と頼みましたがフォーラス様は
「しかし、レオノーラお嬢様、今戻ればあの大勢の盗賊どもに攻撃され、お嬢様の身も、部下の身も守れなく…」
と言ったところで雨でも降るのでしょうか、急にあたりが暗くなり、厚い雲が出てきました。今まであんなに晴れていたのに…
ピカッ!ゴロゴロ…ドッカーーーン
急に雷が落ちてきました。
雷が地面に届いています。
あそこは…池の近くではないでしょうか?
まさか、あの方にも雷が?!
既にあの場所で立っている方はいなさそうです
これは大変。ご迷惑をお掛けした方が怪我をされたのにそれを見捨ててカルボス領に戻るだなんて…
「フォーラス様、行かせていただけませんか?」
と言うと、フォーラス様は諦めたように小さくため息を吐き
「分かりました。しかし、まず斥候を出し、安全を確認します。レオノーラ様がお戻りになるのはその後になります。」
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