やめて!女神様!
「「「うぉーーー」」」
俺がヒルと格闘し終わり一息つくと遠くの方から一台の馬車と40騎程の集団が迫って来ていた。
なんだかあの集団、こっちに向かって来てません?
高級そうな馬車だから、盗賊って事は無いだろうけど…
いやな予感がする。
奴らは真っ直ぐ俺の所へ走って来る。
…まさか、俺を求めて?
こ、この状況は!あの言葉がピッタリではないか!
これだけは人生の中で一度言ってみたかったのだ
「やめて!俺の事で争わないで〜〜〜❤️」
…言えた
でも、まさか男に言う事になるとは…
しかし、何はともあれ、
我が今人生、悔いなし!!!
さぁ、おいで。私の愛しい子供た…ブフォッ!
俺の体に強い衝撃が伝わった。そのまま俺は空中を回転しながらまた、デーモンドヒルの住処となる池に落ちた。
「ぎゃぁぁぁぁーーー」
また、血を吸われた。
本日、二度目のお供え物にございます。
異世界からの血。とくとご賞味あれ…
なんとかヒルを落として池からあがってくると池の周りに30騎程の集団が待っていた。
その中の親分らしき人物が
「なあ、騎士様よぉ、いい装備、持ってんじゃん。鎧から武器まで全部置いていきな。そうすりゃ命だけは助けてやるよ」
と言ってきた。
これが盗賊ってやつか?
そういや、馬車は?と言って振り返って見ると、遠くの方を走っていた。
…あっ、察しました。
はい、元からあの10人と馬車は俺にこの30人の賊をなすりつけるためにこっちに来たのね
…誰が俺を取るか争ってた訳じゃ無いのね…
なんかホッとした様な悲しい様な…
すると
(子分Aとでもしておこう)
子分Aが
「おいっ、無視してんじゃねぇよ!」
と言って飛びかかってきた。
そう言えば女神様がゲームの時のデータをコピーしておいたっていってたよな…
じゃぁ…使ってみるか
「クイックムーブ!!」
すると俺の周りの世界が急に色褪せ、ゆっくりになった
子分Aがゆっくりと飛んでくる
なるほど、ここからは足で任意のところに自由に動ける訳か
取り敢えず子分A攻撃を避けてどこに行こうかと考えていると
世界に色が戻ってきた
すると急に体に激痛が走った
「痛ってぇ〜」
何故だ?攻撃は避けたのに…
あまりの激痛に立っていられなくなり、うずくまってしまった。
攻撃を避けられた子分Aは暫く驚いた顔をしていたが顔を真っ赤にして
「この野郎ぉーー」
と叫びながら再度飛びかかってきた
取り敢えず攻撃をしてみるか思い、右手を挙げ、ここにいる30人がいる範囲に絞ると
「サンダーー」
と叫んだ。
これは初期範囲攻撃魔法だ。やっていたゲームのプレイヤーなら、必ず最初の方に覚える基礎中の基礎魔法だ
すると突然上空に黒い雲が出てきて、雷が降って来た。
片っ端から賊が倒れていく。
フハハと笑っていると頭から足元にかけて突然電流が走った。
鎧を見ると帯電している。
…まさか、範囲攻撃は術者関係なく攻撃するのか?
まさかこの仮説が正しいのならば
クイックムーブを使ったときはあまりの速さに体が追い付かなかったから激痛が…?
すると脳裏に女神様が浮かんできて
『そっちの方が平等でしょ?なんせ私は女神様ですもの。何事も平等でなくては』
と微笑みながら言っている様な気がした
それを最後に俺は意識を手放した
ヒルと自由落下には勝てたが、流石に雷には勝てなかったのだ
ご閲覧ありがとうございます
今回でようやく、この題名をつけた理由をお伝えする事が出来ました
次回の更新の日にちも未定です
これからもよろしくお願いいたします