表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/326

4月8日


 四月八日。

 金曜日は、割と人が多い。


「ごちゅーもーん!」

「はい」

「こーちゃと、ハンバーグ!」

「はい」


 最も混んでいるのは土日ではあるものの、仕事から解放される金曜日は、夜の客が多いのだ。

 憩いの場として使ってくれるのはありがたいが、夢見とメアリーが手伝っても手が足りないくらいである。

 まさに、嬉しい悲鳴であった。


「……手が足りませんね」

「先輩でも、きついですか?」

「それは、まぁ」


 全力で手を動かしながら、町田青年は思案する。

 店がそこまで広くない為、入れる客もそこまで多くはない。

 だが、それでも。出入りが多くなれば客の注文も増える。


 今のところ、調理は町田青年だけで行っている。

 捌ききれるかは、自信がないところであった。


「……夢見さん、手伝って貰えますか」

「モチロンですっ! 何しますかっ?」

「下拵えを。調理は自分が」

「リョーカイですっ!」


 言われるままに、テキパキと作業を進める夢見に、町田青年はホッと息を吐く。

 そうして、やや手持ち無沙汰な様子のメアリーに。


「メアリーさん」

「はいっ!」

「お客様から、空いたお皿を受け取ってください。一枚ずつで構いません」

「りょーかい、ですっ!」


 やって欲しいことを言い渡しておく。

 お手伝いが好きな彼女は、たちまち元気になって、客席の方へと飛び出していった。


「……人手か」


 そういった気配りを経て。

 確かに足りないが、悪くないと思うのは。

 我儘だろうかと思い耽る、町田青年であった。


 ■メアリーの にっき■


 きょうは おきゃくさんが よるに いっぱいだったよ!

 めーちゃんも おてつだい いっぱいした!


 おじちゃんも せんせーも ヘロヘロだったけど めーちゃんは まだまだ げんき!

 だから にっきも かいちゃいます。 えへん。

 でもでも おじちゃんに ぎゅーってして ごろんすると ねむくなっちゃうのは なんでだろうね?

 おじちゃんだからかな? ふしぎ!


 あしたもいいこと ありますように!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ