4月7日
四月七日。
今日は、定休日だ。
「……英語、かぁ」
「どーしたのー?」
「んー、ちょっとねー」
悩ましげに夢見が開くのは、「サルでも分かる英会話」という、なんとも言えない物であった。
それでも思い悩むその姿は、男ならば悩みを聞きたくなる、完璧な淑女であった。例え持っているのが「サルでも分かる英会話」だとしても。
「あの外国の人が、何言ってるか分かれば良かったんだけどねぇ。英語とか苦手だから」
「えいご?」
「外国の言葉よ。…………」
ふと、そういえばメアリーは何処の国の人なのか、と夢見は考える。
ふわふわの金髪やきらきらした碧い瞳はヨーロッパ系の様にも思えるが、ヨーロッパの何処かと言われると自信がない。
大体地理やら何やらは専攻の外である。推測は困難を極めた。
「……ま、いっか」
「?」
「メアリーちゃんは、メアリーちゃんだもんね?」
「んぅ? ……うんっ!」
取り敢えずは、抱き上げて撫でまくれば。
きゃっきゃと笑うメアリーであれば、夢見はそれでよかったのであった。
■メアリーの にっき■
きょうは おやすみ!
おじちゃんは スラッシャーおじさんと そとまわりっていう おしごとなので めーちゃんは せんせーと ごろごろしました。
せんせー えーかいわ にがてなんだって。
めーちゃん えーご わかるかな?
よんでみたら わかるかも?
まぁ よくわかんない!
あしたもいいこと ありますように!




