3月25日
三月二十五日。
子供というのは元気だが、大人ほど長持ちしない。
「……すぅ」
「……ぐっすりですね、メアリーちゃん」
「はい。今日も、頑張っていましたから」
一日元気に働いたメアリーは、晩ご飯とお風呂に入ったら、すぐに寝てしまう。
こういった様を「電池切れ」と称する親も結構いる様だが、成程、そう揶揄するのも分からないでもないと町田青年は頷く。
ただ、玩具の様に、ぞんざいな扱いは出来なかった。
「……いつも助かってますから、明日はご褒美をあげようかと」
「良いですねー。何をあげるんです?」
「先程、注文していたものが届きましたので、それを」
愛おしさ。
情欲や肉欲などでは決してない、家族愛とも呼べる、親愛。
そういった気持ちを、町田青年は抱いていた。
「プレゼント、してみようかと」
「……良いと思いますよ。とっても」
猫可愛がりはしないし、彼女も望むかどうか分からない。
ただ、彼女が求める限り、行動に愛を注ごう。
そう決意した町田青年は穏やかにメアリーを撫でるのであった。
■メアリーの にっき■
きょうも いっぱい がんばったよ!
でも がんばると ちょっと ねむい……。
ねむくならない ように したいけど どうすればいいか
わかん な
(この先は涎の後で読めない)




