3月22日
三月二十二日。
今日は、いつもと違う洗剤を使っている。
「あわあわー!」
「口に入れない様に、気をつけてください」
「はーい!」
いつもの洗剤が切れて、詰め替え用が売っていなかったのだ。
なので、夢見が使うシャンプーを、町田青年やメアリーも使っている。
ちなみに町田青年は男性用を、メアリーは子供用を使っている。
お蔭で、町田家の風呂場は洗剤でいっぱいだ。
「シャンプーハット、ズレてませんか?」
「だいじょうぶー」
「では、髪を洗いましょうか」
「はーい!」
メアリーと一緒に風呂に入るのが誰かは、彼女の気分次第だ。
一人で入ろうとはしないので、大抵メアリーが誘う。
今日の気分は町田青年だったので、彼は懇切丁寧にメアリーを洗うことにした。
「痒いところはありませんか?」
「だいじょうぶでーす」
小さな頭は洗いやすいが、それ故に取りこぼしもあり得る。
隈なく洗い上げることで、彼女のふわふわな金髪は維持されるのだ。
「お湯で流します」
「ざばー」
頭が洗われ、泡がお湯に溶けていく。
その暖かさが心地よく、メアリーの顔も綻んで。
「……おじちゃんのゆび、すきー」
「……ありがとうございます」
ゆっくり、町田青年にもたれかかるのだった。
■メアリーの にっき■
きょうは いつもとちがう シャンプーだったよ!
でもでも おじちゃんのゆびは かわらないので あんしんして ふわーっとした!
だれかに あらって もらうって きもちいいね!
かみは かわかしたら ふわふわじゃなくて さらさらになってたよ!
こういうのも いいなって おもったら おじちゃんたちも いいかんじって ほめてくれたよ!
たまには ゆめみせんせーの シャンプー つかってみよっかな?
あしたもいいこと ありますように!




